猫を保護して飼いたいと思った、
フルタさんに猫との暮らしを見せてもらった、
ところがアレルギーかもしれないことがわかった。
猫と暮らすっていうことはむずかしいと
いちど諦めて、
そのうえ、いきものの世話は
とてもたかしまさんにはできないかもしれない。
そんな「飼うべきではない」
条件が揃っていたわけですね。
ここからは『あすナロにっき』にも書かれていますが、
そんな2人のところに
メールが来るわけですね?
はい、そうです。
中村さんですよね、まず、読んだのは。
そうです。
中村の友人なんですよ。
友達からメールが来た。
どんなメールだったんですか?
編集者をしている友人で、
「かわいい子ネコを拾ってしまった人が
 いるのだけれども、飼えないかなぁ?」
「どうかなぁ?」みたいな。
で、仔猫の写真がついていて。
それを見たとき、
「これは飼うでしょう!」みたいな感じ(笑)。
うん。
その勢いで、たかしまさんは
「自分は世話しないけど、いいよ」
「飼うなら飼えば」というふうに、
なっていたんですね。
けれど、アレルギーが‥‥。
そうなんです。
アレルギーの件があったので、
ちゃんと確かめないといけないと思いました。
花粉症の人は、猫アレルギーにもなりやすい、
というだけで、ほんとうにダメなのかは
わかっていなかったですから。
今はもう大丈夫なんじゃないかという
期待をもって、
検証しないといけないなと思って。
で、すぐ2人で猫カフェに行って。
そ、そ、そ、そっち(笑)?
一同 (笑)
病院じゃなくて?
病院じゃなくて?
あのぅ(笑)。
まぁ、わかりやすいですよね。
「たぶん検査したら、
 猫(のアレルギー反応が)出る」
って。
きっと出るんですよ。
「出るだろう」と。
その前のときは検査をしてなかったけれど、
もう洟は出るし、目はかゆいしみたいな症状で、
「検査もしなくてもわかりますよ」。
かかりつけの医者なんで、
2人のこともよく知ってる人なんで。
こんどは猫カフェに行って、
「それで大丈夫だったら、
 大丈夫っていうことにしよう」と。
おぉ。
6畳一間ぐらいの所に、
もう10匹ぐらいのネコがいる空間で
1時間ぐらい、
過ごして。
で、「帰ってきて、一晩寝て起きて、
何もなかったら、返事をしよう」って。
そうしたら‥‥。
大丈夫だったんです。
はい。
2人とも?
へえ!
大丈夫だったんです。
しかもとても楽しかったんです。
その「飼うなら飼えば」と言っていた
たかしまさんは、
ほんとうのところ、
ナロちゃんになる仔猫の写真を見て、
どう思ってたんですか?
‥‥かわいいなぁと思ってました。
かわいいなと思った?
はい。
家においで、っていうのは?
猫カフェに行く時点では、
もう大丈夫なことを願ってましたし、
大丈夫だったら、家に迎え入れたい、
っていうのは思ってました。
じゃあ、最初の中村さんの心配は、
わりと簡単にクリアしたんですね。
僕もわりと気分屋なので、
ネコと暮らしたいっていう時期があったりとか、
やっぱりお世話で無理だっていう時期があったり、
ムラがあったんですけど、
その写真を見たらやっぱりね、
それが本当にとんでもなくかわいい写真で。
で、また、飼いたい、
一緒に暮らしたい欲が高まったんです。
で、見に行った?
見に行きました。
キャリーを作ったりするのは、
僕、うれうれとやりましたよ。
キャリー?
はい。
もう貰いに行くつもりだったんですね。
「週末までに引き取り手がいなかったら、
 僕らが引き取ります」
っていう返事をしたんですよ。
おぉ、おぉ。
ですから、伺うときは、
「引き取ります」っていう。
「週末までに引き取り手がいなかったら」
って書いた気持ちは?
「是非、すぐにでも、わが家に」
じゃなかった理由は?
そこは、ちょっとやっぱり、なんでしょう?
‥‥うーん。
もう1本の、運命の杖ということでしょうか。
「どちらに進もう」というときに
杖を握ってぱっと離して方向を決めるみたいに、
自分の力じゃないものに託してみたかったんですか?
(手を打って)まさにその感覚ですね、はい。
なるほど。
本当に、本当に、
僕らと暮らす運命なんだろうかって。
たしかにその気持ちです。はい。
もしそこで、たかしまさんたち以外に、
「うちにおいで」っていう人が現れたら、
それはそれで運命だっていう
割り切りができたんですね?
はい。
で、現れなかったんですね、その人は。
はい。しかも、
そんなことを言いつつも。
「現れませんように」って、
なぜか祈ってましたね。
あぁ、おもしろいです。
不思議な気持ちですねぇ。
そしてその返事をする期間中にその
「水没林」事件が起きるんです。
えぇー?
あったので、もう。
(笑)大事件じゃないですか。
でも、不安になりますね。
だって、気分屋が、
「家に来るといいなぁ」とか言いながら、
「水没林みたい」って言うんだもの。
そうだ、キャリー作った後ですからね。
(笑)
ひどい。
一同 ブー(笑)。
なので、もう、
一切お世話的なことは、
あてにするまいと思いました。
期待できない。
そう、「しないでいいから。
でも、飼わせて」みたいな。
あぁ。
猫カフェに行ったときに、
「猫と遊んで楽しかった」
っていうのを言っていたので、
「それでいいから」っていう感じですよね、
もうこっちは。
「遊んでもらえればいいから」っていう。
   


(つづきます)


2010-12-20-MON