Candy Miyukiさんがやってきた!「あめ細工とラテン音楽の夕べ」全記録。
2006-08-29-TUE


いよいよイベントの当日、
Candyさんが「ほぼ日」に来られました!

こんにちは、Candyさん!

「こんにちはー!」


Candy Miyukiさん

予定開始時刻よりずいぶん早い時間ですが、
それには理由があります。
実は、Candyさんがつくるあめ細工には2種類あります。

あめを丸めたりのばしたり、
ハサミで飾りを入れたりしながら、
その場でかたちをつくる、ショー的要素の強いタイプ
 
つくるものをパーツに分けて、ディテールまで作り込む、
鑑賞要素の強いタイプ

この日のショーでは、おもに一つめのタイプを
つくっていただいたのですが、
来ていただいたみなさんに見てたのしんでもらうため、
ふたつめのタイプも、つくっておいていただくのです。

Candyさん、いくつくらい、つくる予定ですか?

「もう先にだいぶつくって持ってきたので、
 ぜんぶで20~30くらいですかね」

えーっ、そんなに!

「つくるのは大好きだから、いくらでも」

すごいなあ。



そう言うあいだにも、Candyさんは手早く、
あめ細工の道具を準備します。



熱してやわらかくなったアメを、とりだして‥‥



手にとります。
これ、やっぱり熱いんですか?

「このアメ、90℃あります。
 慣れるまで、手の皮、30枚くらいむけますね」

ええっ、30枚!?

「だから最初、手の皮むくので、
 やめちゃう人が多いんですよね」

いや、そりゃそうでしょう。
あめ細工って、実は、たいへんなんですねえ。



手にしたアメをこねて‥‥



色を入れます。



アメは、やわらかくなっているので、
ひっぱると、びよーんと、のびます。



こちらは、別につくったパーツです。



はしっこを引っぱって‥‥。
でも、何をつくってるんでしょうね?



こんどは、さきほど、のばしていたアメを、
はりつけていきます。
うーむ、なんなんだろう、これ?



あ、なんか、人みたいですね。
髪の長い女の人?



髪型をととのえて‥‥



さらに別のパーツをくっつけます。
あっ、これ、サングラス?



もいっちょ、別のパーツを。
わかった! 手ですね、これは!



腰に手をあててるのかな?



もう一つ、手がつきました!



細かい部分は、筆で描きます。



テカりを入れて‥‥。
あれ? これって、たしか‥‥?



できあがり!



正解は、なんと、みうらじゅんさんでした!


いやあ、見ててたのしいです!
Candyさんは、何であめ細工をやろうと思われたんですか?

「あのね、人生最悪の時にぶちあたった時に、
 あ、死んだと思って、生まれ変ったら、
 何になるんだろうって考えたら、
 あめ細工が浮かんだんです」

あめ細工が‥‥。
はー、それはすごいですね。

「それまで9回仕事変えて、
 あめ細工が10個目だったんですけど、
 やった瞬間から、これだ! っていう感じ。
 自分の波長とぴったり合った感じなんですよ。
 それから、ずーっと、ピュアなまま、
 いつも楽しんでやってます。
 カラオケって、歌う本人が一番楽しいっていうの、
 あるじゃないですか」

ええ、ええ。

「あんな感じ。つくってる私自身が、
 『見て見て~っ! 楽しい! こんな楽しいよ!』
 っていう感じ」

ああ、いいですねー!

「従来の飴細工の人は、テーブルがあって椅子に座って、
 『はい、次―』って感じで、
 おじいちゃんなんかは恥ずかしそうなんですけど、
 ディズニーだから、そういうんじゃなくて、
 『はーい、ショーだよ、見て見て! おいでおいで!』
 っていう感じで。
 だから、お母さんなんかが、
 『そんなの見なくていいよ』って言いながら、
 やっぱり見てると面白いから、
 注意しながらも、立ち止まってしまうと、
 よーし! みたいな(笑)」

気分いいですよね。

「お客さんは、私のショーを知ってて、
 コンサートみたいに来るわけじゃなくて、
 歩いてる人の足を止めないといけないから、
 そこがやっぱり面白さで、止まって見てくれると
 すごくうれしいですよね」

あー、なるほど、わかります。

「あと、できあがったものが食べれらるっていう、
 オチがついてるところの面白さっていうかね」

オチ、ですか?
それはどういうことでしょう?

「食べられるよ、って。
 ガラスアートは、いつまでも飾れるんですけど、
 飴は、食べられちゃう!っていうところが、
 私はすきですね。
 一生もたない、はかない。
 その、はかなさが好きなんです。
 食べてなくなっちゃうけど、でも、
 思い出としてはすごい残ってるから、お客さんに、
 『家族で一年中、あめの話してるんだよ』
 とか言ってもらって。
 ガラスとはまた違う‥‥物はないけど、
 心への残り方。記憶の1つに変化する感じ」

ああ、なんだかもう、すごくいい話ですね、それは。

「食べてなくなっちゃうから、よけいに」

なるほど、お話を聞いていると、Candyさんが、
あめ細工のお仕事をつづけていらっしゃる理由が、
ちょっとわかった気がしました。

と、そうこうするうちに、
お客さまがあつまってきました。



「あめ細工とラテン音楽の夕べ」、
そろそろ、はじまりますよ!
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