いよいよイベントの当日、
Candyさんが「ほぼ日」に来られました!
こんにちは、Candyさん!
「こんにちはー!」
Candy Miyukiさん
予定開始時刻よりずいぶん早い時間ですが、
それには理由があります。
実は、Candyさんがつくるあめ細工には2種類あります。
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あめを丸めたりのばしたり、
ハサミで飾りを入れたりしながら、
その場でかたちをつくる、ショー的要素の強いタイプ |
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つくるものをパーツに分けて、ディテールまで作り込む、
鑑賞要素の強いタイプ |
この日のショーでは、おもに一つめのタイプを
つくっていただいたのですが、
来ていただいたみなさんに見てたのしんでもらうため、
ふたつめのタイプも、つくっておいていただくのです。
Candyさん、いくつくらい、つくる予定ですか?
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「もう先にだいぶつくって持ってきたので、
ぜんぶで20〜30くらいですかね」 |
えーっ、そんなに!
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「つくるのは大好きだから、いくらでも」 |
すごいなあ。
そう言うあいだにも、Candyさんは手早く、
あめ細工の道具を準備します。
熱してやわらかくなったアメを、とりだして‥‥
手にとります。
これ、やっぱり熱いんですか?
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「このアメ、90℃あります。
慣れるまで、手の皮、30枚くらいむけますね」 |
ええっ、30枚!?
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「だから最初、手の皮むくので、
やめちゃう人が多いんですよね」 |
いや、そりゃそうでしょう。
あめ細工って、実は、たいへんなんですねえ。
手にしたアメをこねて‥‥
色を入れます。
アメは、やわらかくなっているので、
ひっぱると、びよーんと、のびます。
こちらは、別につくったパーツです。
はしっこを引っぱって‥‥。
でも、何をつくってるんでしょうね?
こんどは、さきほど、のばしていたアメを、
はりつけていきます。
うーむ、なんなんだろう、これ?
あ、なんか、人みたいですね。
髪の長い女の人?
髪型をととのえて‥‥
さらに別のパーツをくっつけます。
あっ、これ、サングラス?
もいっちょ、別のパーツを。
わかった! 手ですね、これは!
腰に手をあててるのかな?
もう一つ、手がつきました!
細かい部分は、筆で描きます。
テカりを入れて‥‥。
あれ? これって、たしか‥‥?
できあがり!
正解は、なんと、みうらじゅんさんでした!
いやあ、見ててたのしいです!
Candyさんは、何であめ細工をやろうと思われたんですか?
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「あのね、人生最悪の時にぶちあたった時に、
あ、死んだと思って、生まれ変ったら、
何になるんだろうって考えたら、
あめ細工が浮かんだんです」 |
あめ細工が‥‥。
はー、それはすごいですね。
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「それまで9回仕事変えて、
あめ細工が10個目だったんですけど、
やった瞬間から、これだ! っていう感じ。
自分の波長とぴったり合った感じなんですよ。
それから、ずーっと、ピュアなまま、
いつも楽しんでやってます。
カラオケって、歌う本人が一番楽しいっていうの、
あるじゃないですか」 |
ええ、ええ。
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「あんな感じ。つくってる私自身が、
『見て見て〜っ! 楽しい! こんな楽しいよ!』
っていう感じ」 |
ああ、いいですねー!
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「従来の飴細工の人は、テーブルがあって椅子に座って、
『はい、次―』って感じで、
おじいちゃんなんかは恥ずかしそうなんですけど、
ディズニーだから、そういうんじゃなくて、
『はーい、ショーだよ、見て見て! おいでおいで!』
っていう感じで。
だから、お母さんなんかが、
『そんなの見なくていいよ』って言いながら、
やっぱり見てると面白いから、
注意しながらも、立ち止まってしまうと、
よーし! みたいな(笑)」 |
気分いいですよね。
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「お客さんは、私のショーを知ってて、
コンサートみたいに来るわけじゃなくて、
歩いてる人の足を止めないといけないから、
そこがやっぱり面白さで、止まって見てくれると
すごくうれしいですよね」 |
あー、なるほど、わかります。
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「あと、できあがったものが食べれらるっていう、
オチがついてるところの面白さっていうかね」 |
オチ、ですか?
それはどういうことでしょう?
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「食べられるよ、って。
ガラスアートは、いつまでも飾れるんですけど、
飴は、食べられちゃう!っていうところが、
私はすきですね。
一生もたない、はかない。
その、はかなさが好きなんです。
食べてなくなっちゃうけど、でも、
思い出としてはすごい残ってるから、お客さんに、
『家族で一年中、あめの話してるんだよ』
とか言ってもらって。
ガラスとはまた違う‥‥物はないけど、
心への残り方。記憶の1つに変化する感じ」 |
ああ、なんだかもう、すごくいい話ですね、それは。
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「食べてなくなっちゃうから、よけいに」 |
なるほど、お話を聞いていると、Candyさんが、
あめ細工のお仕事をつづけていらっしゃる理由が、
ちょっとわかった気がしました。
と、そうこうするうちに、
お客さまがあつまってきました。
「あめ細工とラテン音楽の夕べ」、
そろそろ、はじまりますよ!
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