2005年2月19日の「今日のダーリン」

海外の話ですが、ニューヨークのセントラルパークに、
クリストのアートが展開されている。
ニュースで知っている人も多いと思いますが、
ぼくは、クリストのアートって、
昔からほれぼれしつつ注目していました。
アンディ・ワーホールへの興味と同じくらい、
クリストって人の表現には心が動かされます。

全費用が約22億円だとかで、
そのお金も、クリスト自身が自分でつくったもの。
大きな公共の施設を利用したアートだから、
さまざまな行政の許可が必要だったりもするのですが、
そういう手続きの書類なども、
作品の一部を構成しているというわけです。

「作品には意味もメッセージもない」と作者は語り、
その作品『ザ・ゲーツ』を、くぐったり眺めたりするために
ニューヨークの人びとが集まっているようです。
5メートルほどの高さの門に、
鮮やかな黄色の布が、すだれのようにかかっています。
そういう門が、約37キロの距離に
7500も建てられているんだそうです。
ぼくも、この作品にふれるために、
ニューヨークに行ってみたいと思いました。
次の作品の発表までには、
また24年くらいかかるかもしれないし。

テレビで、クリスト夫妻に
インタビューしている場面がありました。
奥さんが、うれしそうに、サフランで染めた布を見ながら、
「きれいでしょう、この布の影は赤くなるのよ」と、
説明していました。
なんとも、その「そのまんまをよろこんでいる感じ」に、
じーんとしてしまいました。

ぼくはよく「消費のクリエイティブ」と言いたがりますが、
22億の大金の使い方として、最高にかっこよくない?
こんなクリエイティブ、誰にもできるものじゃないけど。
お金って、使い方によっては、ものすごくかっこいいなぁ。