綿の栽培から、糸を紡ぎ、布を織り、染めて、
服を縫い上げるところまで、
各家庭で完結できることが、
レンテンの村の人たちの基本です。
助け合うことはあります。
その場合、農作業などの労働の交換です。
藍染に欠かせない石灰作りの作業は
1家庭ではできないため、共同で行います。
これは7年ほど前からHPEも作業に協力しています。
各家で出す労働力も同じにし、分け前も同じです。
そういうところ、大変厳しいです。
糸紡ぎは一番時間がかかる作業で、
みんなできますが、
糸を紡ぐ時間が足りないというのが現実です。
お年寄りや体の不自由な人が
終日やっている場合が多いです。
弱者である立場の人に、
糸紡ぎは支えられています。
糸を紡ぐお年寄りがいない家では、
糸紡ぎは近所の人や親せきの人に
篠の状態にした綿を渡して、
お金を払ったり、お米で払ったりして、
紡いでもらうこともあります。
2016年6月 谷由起子