〈2013年9月25日の今日のダーリン〉

・「ロボットコンテスト」というのは、おもしろい。
 なにより、確実に答えを出さないといけないのがいい。
 実際に競技に勝つために何をするのか、
 いくら理屈に合っていても現実にならないといけない。
 規定の条件のなかでなら、どういう方法で戦ってもいい。
 得意不得意によって、仕事を分担して戦う。
 おそらく、予算も時間も、おおいに限られている。
 そんな同じ条件のもとに、学生たちが競い合う。
 
 ぼくは、たまに気がつくと、この競技の番組を見る。
 いつのまにか、海外での国際大会にまで成長していた。
 日本のチームが優勝したという結果だけは知っていたが、
 そこにいたるまでは、たいへんな道のりだったようだ。
 
 特におもしろかったのは、大会開催地の設営が、
 日本のように整ってなかったということだった。
 ロボットが動くフィールドの床面が、
 きれいに掃除されていないために、
 ロボットの足にあたる車輪に、ごみがついてしまい、
 回転のときにスリップしてしまうのである。
 その床がきれいに掃除してあることを前提に、
 日本チームのロボットは、計算通りに動くはずなのに。
 床が掃除されていることは、「日本の常識」だった。
 
 しかし、ロボットよ。
 世界中のあらゆる床は、つるんつるんじゃないんだよ。
 ‥‥他の国の学生たちも、その掃除されてない床で、
 ロボットを走らせているのだし。
 国際社会って、想像以上にワイルドなんだよな。
 
 結論的には、問題を克服して日本チームは勝った。
 「床がきれいに掃除されていない」というようなことに、
 日本の人たちは、この先、
 ものすごくたくさん出合うだろうと思うのだ。
 外国の人たちから見たら、逆に日本の常識のなかに、
 「考えられない」と思うことがあるかもしれないのだが。
 
 つるつるのピカピカの環境を前提にしてはいけない。
 世界は、泥沼であり、砂漠であり、コンクリートである。
 どこにいても、なんとか走れることが大事だ。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
あっちからの視点、こっちからの視点、それ以外の視点。