ダーリンコラム

糸井重里がほぼ日の創刊時から
2011年まで連載していた、
ちょっと長めのコラムです。
「今日のダーリン」とは別に
毎週月曜日に掲載されていました。

あ、ロボットかよ。

冬の休みになったうれしさに、
「休み用のいい顔」をしていたら、
ふと、明日が月曜日だということを思い出した。
月曜日も休みなのだけれど、
『ダーリンコラム』が掲載される曜日なのだ。
それをいま思い出したということは、
これから書かなきゃいけないということだ。

しまった‥‥頭のなかに、
ちょっとでも入れておけばよかった。
「休みになったばかりの日曜日には、
 『ダーリンコラム』を書くことになるから、
 いい顔なんかしてるんじゃないぞ」
と、じぶんに憶えさせておけばよかった。

しょうがないから、
軽く先日していた雑談のことを書こう。

サロゲート』という映画がもうじき公開されるらしい。
ブルース・ウィリス主演で、
ロボットだらけの未来社会が舞台だという。
「そんなことにはならないですよねぇ」
なんて話しているうちに、
「いや、まてよ」と思った。

こんなルールでできている人間型ロボットがいるとする。
約束の時刻きっちりに集まって、
目的どおりのことをして、
終わるようにセットされていた時刻に終了し、
人に迷惑をかけないよう信号を守ったり、
列を乱さぬように注意しながら家に帰る。
あらゆる行動は、予定されている。
他人に見られて困るようなことはしない。
むろん暴力はふるわない。
むろん酒をのまない。
むろん不適切な恋愛などしない。

念のために、作家アイザック・アシモフによる
「ロボット三原則」を記してみよう。

第一条 ロボットは人間に危害を加えてはならない。
    また、その危険を看過することによって、
    人間に危害を及ぼしてはならない。
第二章 ロボットは人間にあたえられた命令に
    服従しなければならない。
    ただし、あたえられた命令が、
    第一条に反する場合は、この限りでない。
第三条 ロボットは、前掲第一条および第二条に
    反するおそれのないかぎり、
    自己をまもらねばならない。
ウィキペディアより引用)
なるほどねー。

で、思ったというのは、
ご想像どおりなんだけれど、こういうことよ。
「これ、ロボットってことばで言ってるの、
 ‥‥オレじゃない?
 っていうか、オマエじゃない?」
そうだわ、昭和のころだったらちがうかもしれないけど。

‥‥人間って、どんどんロボットになっていくのかね。
なってきてるもんなぁ。

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