この前に書いた、「巨人ファンの苦悩」の続きです。
結局、あんなに悩んでいて、
どういうふうに原稿を書いたかというと、
以下のようになったんです。
「報知新聞」って、
読売巨人軍の大本営広報部みたいなものだと、
考えている人も多いと思いますが、
こんな場所に!
こんな原稿を!
掲載してしまうというところをみると、
まだまだ、「僕のような考えの巨人ファン」はいる、と。
報知のなかにも、ひっそりといる、と。
思うわけです。
まだまだ、根気よく巨人ファン続けていく希望が湧いてきます。
それでは、遠慮がちにキツイこと言ってみましたという、
その日の原稿を、ここに再録いたしましょう。
以下、新聞記事より。
ミラクルなんてなくていいっ!!
素朴な質問をしたい。
巨人に優勝の可能性がなくなったのではないことは
よくわかるのだが、どうしても理解できないことがあるのだ。
だから聞きたい。
「メイク・ミラクル」とは、何をすることなのですか?
それだけ知りたい。
「奇跡」がなければ優勝は無理だという状況に
ずるずると追いこまれて、「奇跡」をメイク(つくる)という。
奇跡とは神さまがつくるものじゃなかったのか。
どうやって、人間がミラクルをつくるのか、
去年もたのしみにしていたのだけれど、とうとう来なかった。
まさか、頭をまるめて祈るとか、
死んだ気になってがんばるなんてことではないと、思いたい。
祈祷(きとう)や呪術(じゅじゅつ)で野球が強くなるなら、
私も共に、頭のひとつくらい丸めよう。
しかし、私たちが信じたいのは呪術合戦ではない。
高く美しい技と、悪魔のような知恵とが
チームを「ひとつの生きもの」のように動かし
強くなっていくさまが見たいのだ。
もう、ほんとのことを言おうよ。
ミラクルなんて、つくれるもんじゃないって。
ただしい練習を積みあげてプレイに集中する選手たちと、
その選手たちのちからを上手に組み合わせて、
相手チームよりクレバーな指導と
戦術を選択したスタッフたちが
勝つんだ、と。
今夜の阪神も、ほんとに野球がヘタだった。
その阪神のミスに救われて勝った巨人が、
上手な野球をしたのかどうかは、わからない。
次のカード、へばり気味の横浜に対して、
どういう野球をするのか。
奇跡なんていう画にかいた餅よりも、
そっちこそが見せてほしい。
(スポーツ報知 8月17日号より)
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