ITOI
ダーリンコラム

「ほぼ日刊イトイ新聞」のスタートは、
6月6日のことだった。
それから、もうすぐまる3ヶ月。
はじめは「ほぼ」という、
あらかじめ言い訳された特性をいかして、
なるべく力を抜いてやっていこうと思っていた。
しかし、始めたらおもしろくなってしまって、
力抜くどころか、
甲子園の松坂投手状態で投げまくることになってしまった。
予定外だけれど、それでもいい。
作っているスタッフがたのしんでいるし、
読んでくれる人がよろこんでくれているようだから。

よく、3日、3月、3年というけれど、
第2の壁までは乗り越えられたようだ。
次の3年ってのは、ずいぶん遠いなぁ。まぁいいか。

はじめる時に考えたのは、
「アクセス数」に足を取られないようにしようってことだった。
アクセスの数を増やそうということを自己目的化すると、
どうしても「必要」なホームページになろうとしてしまう。
検索、ニュース、便利なリンク集、
常連の掲示板、性欲、賞品・・・
「必要」なものは、資本と努力でつくりだせると思った。
「こいつらしかできない」と思えるようなものをつくるには、
「必要」の助けを借りてはいけないと、考えていた。

ぼくらは、「必要でないもの」を、たのしみにされたい。
シロートのくせに生意気だけれど、
そう思ってじたばたしている。
腹が減ってるから食うメシでなく、
腹減ってないのに、つい食べちゃおうかなっていうナニカ。
そんなものに、なりたいと思って、
毎日、くだらないことやくそまじめなことを考えている。

だから、アクセス数のことは、考えないようにしてきたが、
これはこれで、かなりのものになってしまっている。
たぶん、9月初旬の段階で
100万アクセス達成してしまうだろう。
毎晩貯金通帳ながめるじじいのように、
ぼくは、日々のアクセスを足し算をしてはよろこんでいる。
だからといって、初心を忘れてはいけない。
「アクセス数に足を取られないように!」というコンセプトは、
編集方針でもあるのだから。

「必要でない」のに「ちょっと大事なような気がする」こと。
「必要でない」のに「あったほうがいいような記事や遊び」を、
これからも、ジミにほぼ毎日掲載・放送していきますので、
「要らない」かも知れないけれど、「ほぼ日」をよろしくね。

スタッフ、執筆者、協力者の皆さん、ごくろうさま。
あと、俺、ごくろうさまです。

1998-09-07-MON

BACK
戻る