ITOI
ダーリンコラム

<空っぽの器>

いつも以上に、書きかけのメモを出しておきます。
ま、これをこねくりまわしても、
これ以上の何かすばらしいものになるとも
思えないので、これはこのままでいいや。

自分という器をいくら逆さにして振っても、
出てくるのは綿ぼこりくらいのものさ。

吸ったり吐いたりのしくみが
動いてないことのほうが、
中身が空っぽであることなんかより、
ずっとおそろしいことなんだよ。

自分という器が大きいだの小さいだの、
自分には才能があるだのないだの。
どっちにしても、そういう発想をしているかぎり、
必ず、いつか空っぽになるものだ。

問題は、吐くこと。
吐けないと思ってから、さらに吐く。
吐いて、吐いて吐き出しつくすと、
しょうがなく吸うことになる。
ここで、吸えということだ。

表現をするんだ。
そしたら、いったん空になる。
空になったら死んじゃうから、
吸収するだろう?
その分だけ吸ったら、もうじゅうぶんだ。

なにやら、
過剰に吸う準備ばかりしている自分に、
説教をしているんじゃないでしょうか、自分は。

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2006-08-28-MON
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