第5回 虫博士にも秋の気配。

先日、夜中に都内大通り沿いを歩いていたら
目の前に虫が飛んできたので、悲鳴をあげながらも、
大急ぎで携帯電話のカメラで撮影!

見たい人は虫メガネをクリック!

調べによると、
アオマツムシのメスのようです。
あの、コオロギのような鳴声で
リィリィと鳴いているのは、
このアオマツムシたちだったんですね〜!
8月から11月にかけて、市街地の街路樹で
よく見かけられるそうです。
都会の秋を告げる虫、アオマツムシ。
突然の飛来にびっくりしましたが、
秋の気配をありがとう。

そういえば、日曜日に水族館に行ったとき、
海沿いの魚だらけの屋内水族館にも関わらず、
二度もバッタが首筋に留まり、悲鳴をあげました。

‥‥そんなわけで、
虫博士担当ということを、強く意識する今日この頃。
みなさんの虫話に感化され、
カモン、虫! というフェロモンが
出ているのかもしれません。

そんな、虫博士たちの惹き付けて止まない虫話を、
今日もたっぷりとお楽しみください〜!





金属光沢系の王タマムシ
金属光沢系の女王?ジンガサハムシ

伊豆の山で絵を描いて暮らしています。
ホームページを持っているのですが、
絵を更新しないで、つい虫の写真ばかりを
紹介している虫好きです。

虫の中でも、
特に金属光沢系が非常に好きです。
なかでもタマムシは金属光沢系の王です。
家の裏にやや大きなエノキがあるのですが、
この木の梢には夏になると
何頭ものタマムシが飛び交うのです。
でも決して下には降りてこない。
だもんだから、悔しい思いをしながら
下でず〜〜っと見ています。
時おり日に照らされて
きらきら光りながらぶんぶんとんでいます。
今度、はしごを作って木の上でゆっくり、
タマムシ見学できるようにしたいと考えています。
お花見ではなく、
お虫見もいいのではないかと。

ジンガサハムシは
金属光沢系の女王というところでしょうか?
ヒルガオの葉っぱを食べる
1センチほどの小さな虫なのですが、
初めて見た時は、その金色の輝きに
ただ驚くしかありませんでした。
見るたびに感激します。
最近、ヒルガオが生えていないので
ジンガサハムシもしばらく見ていません。
また見たいです。

こういった虫達ってなぜかここに来た人達に
紹介したくなってしまうのですよね。
「こちらがタマムシです。」
「はい、これがアカスジキンカメムシです。」
「これは、ルリハムシですよ〜。」なんて。
実は、もっと本格的に
ここらの虫を紹介できるようになりたいなんて
本気で思ってる今日この頃です。
(さんご)

タマムシと言えば、
国宝の法隆寺の玉虫厨子に羽がつかわれているほど、
昔から美しい虫の代表選手ですね。
それにしても、ジンガサハムシってすごい生き物!
初めて見ましたが衝撃的です。
べっこう飴がかかったような、いや、宝石のような‥‥。
さんごさんが人に紹介したくなる気持ちがわかります。


アリの引っ越し

これは母の実家で起こったことなんですが、
ある日、庭で犬と遊んでいたら、足元にアリが‥‥。
驚いたのはその数です。
アリたちは緑の草が生い茂る地面を
真っ黒にしていました。
アリなど幼稚園のときから見てきた私、
小学生のときは夏休みの自由研究に
使わせていただいたこともしばしばあったほど。
それなのに、何事だっ!? と
パニックになるくらいの量!
こ、これには何か訳があるはず‥‥。
と、その日は暇だったのをいいことに、
しばらく地面をじっと眺めていることにしました。
そして幾つか手掛かりとなりそうなものに
気がつきました。

・半分以上のアリが白いものをくわえている
・すべてのアリが同じ巣穴から出てきている
・アリの集団全体がどこかに向かっている

一瞬、えさに向かう「アリの行列」かと思いましたが、
その場合は巣に食べ物を持ち帰るはずなので、
違います。
しかも、「白いもの」とは言っていますが、
どう見てもアリの幼虫です。
それをくわえているということで、サムライアリが
別のアリの巣を襲撃しているのかとも思いました。
ですが、それにしては小競り合いが起きません。
ただひたすらアリについていくこと数十分。
アリたちは少し離れた、
もといた所より高い場所の巣穴へ辿り着いたのでした。
最後の一匹を見届けたときには、
夕立の気配がしました。

私の中では、あれは雨が降る前の
アリの引越しだったのではないかと思っています。
(ただ単にサムライアリに無抵抗だったという考えも
捨て切れませんが)
いずれにしても、あれだけの数のアリが
一斉に移動するさまは見ようったって見られません。
人に伝えることが下手なので、
このときの感動はおそらく私の中に
ずっとしまいこむことになるのかなーと思いつつ、
珍しいものを見たなーという喜びもまたあるのでした。
(あい)

わ! それは噂には聞いたことのある「アリの引っ越し」。
見たことがあるというのは貴重ですね!
でも、あいさんの予想は当たっているかもしれません。
サムライアリはクロヤマアリの平地にある巣を襲撃し、
その幼虫の繭を奪い、育ったクロヤマアリを
奴隷アリとして使うようなんです。
略奪した繭を育てるのも、
昔、略奪されてサムライアリの巣で育った
クロヤマアリだということ。
一度捕まったら、死ぬまでサムライアリの為に働くはめに。
ひえ〜、おそるべし、アリさらい!


ダンゴムシの人工孵化

小学生の頃、ダンゴムシのお腹に
暖かい程度に虫眼鏡の光を当てて、
子供を孵化させたことが何度も有ります。
もちろんお腹に卵を持ったダンゴムシしか
孵化しないのですが、
お腹を見るとなんとなく
分かったように記憶しています。
赤ちゃんは親と違って真っ白でした。
あまりに小さくて形ははっきりしませんが、
親と同じっぽかった様に思います。
少なくとも芋虫の様なものではありませんでした。
当時は「ダンゴムシの人工孵化」と称して
自慢げにしていましたが、
今になって思うと「人工早産」させただけで、
無理やり赤ちゃんを産まされたことになり、
大変申し訳ないことをしたと反省してます。
(BM)

ダンゴムシの繁殖シーン、私も見たことがあります。
(ダンゴムシは虫か? ということは置いておいて)
都会のど真ん中に住んでいたとき、ゴキブリよりも
ダンゴムシがたくさん部屋にいたのですが、
ひっくり返ったダンゴムシのお腹が白っぽく、
見ているうちに、わらわらと赤ちゃんを産んでいました。
真っ白で小さいけど、あのダンゴムシのままで、
ちょっとかわいかったです。
ダンゴムシの繁殖期は6月〜8月くらいらしいので、
探せばまだこの貴重な出産の立ち合いに、
間に合うかもしれませんよ〜。



今回登場した虫たちをご覧になりたい場合は、
こちらをクリックしてどうぞ。
(検索エンジンgoogleのイメージ検索を利用しています。)

アオマツムシ タマムシ
ジンガサハムシ ルリハムシ
サムライアリ クロヤマアリ
ダンゴムシ  

 



ファーブル昆虫記のフィギュア

ファーブル昆虫記のフィギュア、ご存知ですか?
コンビニでペットボトルの飲物を買うとついてくる、
最近流行りのフィギュアシリーズのひとつで、
かの有名な「ファーブル昆虫記」がモチーフになっています。

早速、「ほぼ日」乗組員の男子が購入していたので
見せてもらったところ、入っていたのは、
「ヒジリタマオシコガネと梨玉」でした。



「梨玉」というのは、ファーブルが幼虫を育てるための
「糞玉」のことをそう名付けたということなど、
同封されている説明書に書いてあり、
精巧なフィギュアとともに楽しめるのですが、
それを飲物であるペットボトルのキャップに付けちゃう?!
梨玉と言えどもほんとは糞玉だよ、大胆じゃない??
と思いつつも、キャップにはめようとしたら、
はまらないようになっていました‥‥なぜか残念。

そんなフィギュア、種類は少なめですが、
オトナ買いはせず、楽しもうと思いまーす!




ほぼにちわ、シェフです。
愛されない虫の広場Rへようこそ!
これを書いているいま、食後なんですけど、
ここ宛のメールをまとめて読んで後悔しましたよ。
だってきもちわるいんだもん!
でもがんばってまとめました。
ということはこれを読みすすめていこうと
いま思っているアナタ! 後悔するかもしれませんよ。
きょうはすごいですよ。
あ、もうゴキブリの話じゃないですよ。
ゴキブリを食うアシダカグモの話ですよ。
もう「特集」と言ってもいいですよ。
おなかいっぱい、という状態のかたは
いったん、このウインドウを閉じてですね、
落ち着いた頃にまたいらしてください。
なんたってすごい画像がありますからね。
ふふふ、シャーッ(口から糸を吐く音)。

まずは、クモがゴキブリを食べる
「カリカリカリ」という音を聞いたと
先週報告してくださったpiffreさんからの続報です。
まだ画像は出ませんから安心してください。

こんなものまで食べるのです。

先日は「愛されない虫の広場R」で
私のメールを紹介してくださり、
ありがとうございました。
で、お知らせがあって
再度メールさせていただきました。

「やっでこ」と「アシダカグモ」は同じヤツです!
サイトでアシダカグモを検索して確認しました。
そして、いろんなアシダカグモページがあることに
驚いた次第。

このページでは、ヤツがゴキだけでなく
カエルも食べるらしいことが判明!
しかも消化液を注入して食べるそうですよ。
じゃぁ、私の聞いた「カリカリ」は
聞き間違いかしら?
いや、絶対聞いたもん!

あ、つい熱くなってしまいました。
このページでは子やっでこの
ウジャーは見られませんが
堂々とした母の姿は見られます。
ぜひのぞいて見てください。
(piffre)

えーとなになに「時にはトノサマガエル、
カヤネズミなどを食べることもある」って!
トノサマガエルって?! ネズミ?!
クモが食べちゃうの?! 消化液を注入して?
でも「人を咬むこともない」って、
同じほ乳類でも人とネズミの区別はつくわけだね。
頭いいね。区別つけてくれてよかった。
そしてはたして「カリカリ」なのか
「ちゅうちゅう」かについては
わたくしも調べがつきませんでした。
消化液を注入して、ぐったりさせてから
カリカリとかじるのでしょうか。
誰か詳しいかた教えてくださいね。
それにしてもさ、
アシダカグモ 英名:spiderって、
英語圏の人大ざっぱすぎだよね。
あとやっぱり「卵嚢」すごいね‥‥。

では次。まだ画像は出てきませんからご安心を。
でも、じっくり音読などなさると、
より楽しいかと思われます。


ひとくちサイズのワタアメ。

「クモと“目”があった」話で脳のどこかに
しまってあった記憶がわらわらと蘇ってきました。
 
私の実家は九州北部の海辺の田舎町。
江戸末期に建てられた古い家なので
ゴキもクモもたくさんいました。
たしか小学1〜2年生の頃、トイレの天井に
クモの卵がへばりついていることに、
ふと上を見た私は気づいたのでした。

そのときは、
「一口サイズのワタアメみたいだな〜」
などと思い、その後しばらく忘れていたのですが、
数週間後、「そういえば…」と何かの拍子で
思い出し、上を見たその途端、その塊は
私の頭めがけて落下してきました。

逃げようとしたのですが、
用を足しているときだけあって、
そう簡単には動けない。
1匹だけ見ればどうってことない
2ミリ程度の薄緑色したクモの赤ちゃん。
しかしそれが何百匹、いや何千匹ともなると‥‥
クモの子たちは私の頭頂部にぽとんと落下し、
その瞬間、まさに「クモの子を散らす」ように
私の体中に広がっていったのでした。

記憶が定かではありませんが、
鼻の穴や口の中にも入ってきた感覚が
残っています。

大泣きしながらお風呂場へ行きましたが、
いくら髪を洗っても、毛根についたクモの子の
死骸が取れなかったことも印象的でした。

今、虫好きの小3の息子と一緒に蟻地獄や
かぶとむし、オオクワやすずむし、
水棲昆虫などを飼っては楽しんでいます。

でもやはりクモはちょっときらいです。
(うっしー)

いやーーーーーーっ!!!!(超裏声)
やっぱ鼻かむと、クモが出てきました?
うっしーさん、映像的な美しい文章、
あ、ありがとうございました‥‥。
絵にするなら楳図かずお先生でしょうか。
ところで時々口から糸が出ませんか?

さて、かように「クモの卵嚢」は
生命の神秘でありつつも
人類には恐怖となりうる存在なわけです。
お待たせしました。
いよいよその画像が出てきます。
覚悟してまずはメールをどうぞ。


マモリンの産卵の瞬間を見ました。

はじめまして。
今日、このコーナーの存在に気づきました。

いささか出遅れてしまったようですが、
今年の6月目撃した産卵シーンを
送らせていいただきます。
場所は我が家の居間の天井と壁が出会うあたり。

うちでは、このクモがゴキブリを食べることを
知って以来、我が家の守り神として
大切にされるようになり、
今では親しみをこめて
「マモリン」と呼んでおります。

しかし、ホイホイやコンバットのようなものを
使えないので
(マモリンがかかってしまうような気がして‥‥)
結局、ゴキブリはいっこうに減る様子はありません。
(くまがいたかし)

マモリン!
なんかかわいい!
守ってくれそう!
でもクモ!

‥‥じゃあ行きますよ。ほんとに行きますよ。
くまがいさんが撮影した
マモリンの産卵シーンです!
ええと、前知識としてですね、
前出のサイトをもういちどごらんくださいね。
「孵化すると卵嚢を離すが近くにいて見守る」
そのようすも、よーくわかりますよ。
画像のタイトルは、くまがいさんによるものです。
(クリックすると別の窓が開きます。)

1)卵持ってる。

2)出てきた!

3)はー、すっきり。

4)じゃーねー。

5)出てくる出てくる。

ぐひゃーーーーーーっっ!!
すごい! まさにクモの子!
ちっちゃいからちょっとカワイイ気もしてきた!
それで、くまがいさん、このあとはどうなったんですか?
え? そのまま? 家じゅうにちらばったってこと?
まぁたしかにこれだけの子グモが成虫になれば
ゴキブリの十数匹なんて屁でもなく食べそうですけどね。
6月にうまれた子どもたち、いまごろどうしているかなあ。
オスは5年、メスは7年生きるというから
達者で暮らしているとうれしいですよねえ。
あれ? なんか情が移ってる。
ともあれ、撮影おつかれさまでした。
はぁ、くたびれた。
ということでまた来週!

このコーナーではみなさまからの
愛されない虫のお話を募集しております。
うっかり思い出してしまった気持ちワルイ虫の話、
ぜひ教えてください〜。

2005-09-04-SUN



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