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ヤゴはエイリアン?
私が子供の頃のことではありますが、
私の実家の前を流れる小川は
タニシが住んでいるほど綺麗な水が流れていました。
そこでは毎年、トンボが卵を産み落とすらしく、
幼虫となったヤゴが脱皮をするために、
家の前の僅かばかりの土手に登ってきて、
何匹もへばりついていました。
子供だった私は、それが孵るところを
実際に見てみたくて、土手からとってきては虫篭に入れ、
スズムシと同じようにきゅうりをあげて、
トンボが脱皮してくるのを楽しみにしていましたが、
何匹とってきても、
一度もトンボに孵すことができませんでした。
大人になってから、
ヤゴの生態を撮影したテレビ番組を
見る機会がありましたが、
ヤゴはきゅうりなんか食べません。肉食でした。
虫しか食べないんですね。
普段は体にたたまれている
体の半分の長さもあろうかという下顎というか下唇を、
虫が近くに寄ってくると、ぐわぁばぁーっ! と
前へ突き出し、虫を捕らえて引き寄せてしまいます。
あのヤゴの姿はまさにエイリアン。
も、もしかして、あの映画の「エイリアン」は
ヤゴをモデルにして作ったのかも? と
思わずにはいられませんでした。
ヤゴが何匹も入った虫篭を父が車で轢いてしまい、
悲しくて大泣きしたり、
ヤゴを手で掴んで家の中に持ってきたり、
今となっては信じ難い行為ですが、子供とはいえ、
土手から何匹もヤゴを剥がして、
その瞬間にとんぼに孵る機会を
奪い去ってしまっていたのですから、
ヤゴ達にもとんだ迷惑をかけてしまいました。
今さら、反省しております。
(ピロミ菌) |