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モンシロチョウと妹。
私には4歳年下の妹がいます。
彼女がまだ幼稚園児の頃、
よく近所の畑に遊びに行きました。
彼女はなにやらキャベツ畑をジーッと見つめて
しゃがみ込んでいます。
彼女の横には、イズミヤのクッキーの
四角い空き箱がありました。
なにやらごそごそと仕込んでおります‥‥。
翌日、「お母さん、コレ見て」と、
妹が目をキラキラさせて蓋を開けると、そこには
キャベツの葉にアオムシがうじゃうじゃ蠢いていて‥‥
悲鳴をあげる母を、妹はキョトンと
不思議そうに見ていました。
なぜかその箱はそのまま放置され、
約1週間テーブルの上に置いてあり、
いよいよ処分しなくてはと母が意を決して蓋を開けると、
同時にヒラヒラと、モンシロチョウたちが
開けはなたれたガラス扉の彼方に羽ばたいて行きました。
なにか変なマジックのような、
生命の神秘を感じた瞬間でした。
(tomo) |