Drama
長谷部浩の
「劇場で死にたい」

年末年始の「ほぼ日」は、
何かお役に立つようなことを!
(やろうとしたけど、無理だったかな?)
 

長谷部さんの、
1999年のお年玉的なコラム。


1.この1999年は、有名なアンゴルモアの大王が、
なんかしにくる年らしいのですが、
ヤツから(             )を守りたい。
この、(  )の中にコトバを挿入して、
そのことについて、考えとか意志とか理由とかなんでも、
たっぷり書いてください。


(スニーカー new balance 565 色/紺 サイズ/7)
大学の多摩校舎は、山の中腹にあるので、
私はスーツのときも、スニーカーをはいてでかけます。
学部から図書館にいくのも、ちょっとしたお散歩なので。

何週間か前に、学生のひとりが、
「先生って足のサイズ、いくつですか?」と聞くので、
浜本ってへんなやつだなあ、と一瞬思って忘れていました。
ところが、今日、後期最後の講義の後、
食堂でみんなで食事をしていたら、
突然、学生たちが、new balance 565 色/
紺 サイズ/7を贈ってくれたのです。
私の耳には壮大なファンファーレが鳴り響きました。
42歳の誕生日おめでとう。(歳だね)
教師になってよかった。
明日から毎日はくぞ!
私はからだをはって、大王の火の玉から、
このスニーカーを守ってみせます。
みんな、本当にどうもありがとう。


2.「ほぼ日」の読者に、どういうことを期待してますか。
よく読者に筆者への注文をたずねたりしてますが、
ここでは逆なんです。


ちょっとした気晴らしのためにあるものっていうのは、
懸命にお仕事をしているなあと思います。
たとえば、FRISKのミントタブレットは、私の口のなかで、
ぴりぴりぴりっと身もだえしてくれる。
なかなかやるじゃんと感心します。
「劇場で死にたい」などと、たいそうなタイトルですが、
ちょっとした気晴らしをする気分で、読者に読んもらえたらな、と。
それが注文と言えば、注文でしょうか。

 


3.いっちばん好きな食べ物はなんですか?
おせちに飽きている読者に、教えてください。
できたら、いますぐ食べたいと思わせるくらいに、
たっぷり、強くおすすめくださいませ。


夏のあいだは、ハーゲンダッツの
アイスクリーム「マリブ」でしたが、
今は、森永のチョコレート「Cacao70」でしょうか。
お酒を全く飲まなくなってしまったので、
夜も更けると血管のなかの血が、
「うぐ、し、しげきがほしいよお」
と騒ぎ出すので、「マリブ」「Cacao70」を投与すると、
「う、うまい」
と急に大人しくなる効果があります。

 


4.ヒマでこまっている、正月の読者のみなさまに、
ヒマのつぶしかたを伝授してください。
本なら書名とか、なるべく具体的にお願いします。


慌ただしい毎日だと手をだしにくい
タイプの本をあげておきますね。

「維摩経」
(世界の名著第二巻「大乗仏典」所収 中央公論社)
プラトン「国家」(岩波文庫)
ジョン・ファウルズ「魔術師」(河出文庫)
「日本大歳時記」(講談社)
渡辺保「芸の秘密」(角川選書)
中沢新一「森のバロック」(せりか書房)

エレガントな文体とおもしろさは、保証します。

 

1999-01-02-SAT

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