長谷部浩の 「劇場で死にたい」 |
高度3600mの都市(その5) 子供の頃から憧れていたポタラ宮にいく時間が来ました。 やッぱり日本人なんですね。 私はいそいそとロビーに集合しました。 市街を抜けて、バスはポカラ宮に向かいます。 入り口で、ガイドさんが 「中にはトイレがないので、 ここですましておいてください」 と一言。 それは大変と、みんな列を作ります。 ところで、中国のトイレ事情については、 つとに名高いので、今さらと思われるでしょうが、 ポタラのトイレは凄い! 個室にしきりがない。 というよりは、個室なんてものはない。 ただ、ぽっかりと四角い穴がならんでいるだけ。 穴があると、のぞきこみたくなるのは、人間の習性ですが、 ポタラでは、はるか下界に、何千年の人糞の山が見える! これは壮観でした。思わず悠久の歴史を感じました。 そさくさと用を済ませて、外で待っていると、 女性陣がはしゃいだ声をあげています。 仕切がないので、順番にひとりづつ入っていたところが、 さすがに、はかどらない。 トイレに用のない人たちは、もう手持ちぶさたで ひたすら待っています。 演劇人は、組織だった行動と時間厳守が基本ですから、 ついに途中から、3人づつ入ると決定! 「やっぱり、女も30すぎると、ねえ」 とだれかがつっこむと、制作の久我さん、 「まだ、20代ですっ!」 このとき、わたし、公演の成功を確信しました。 次回は、公演のレポートを読んで下さい。 |
1999-10-23-SAT
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