田中 |
修理ビジネスって、
壊れないと需要が出ないですよね。
その辺の難しさについて伺いたいと思います。
「売る」っていう話であれば、
DVD買いたいなとかそういう気持ちが
ふつふつ湧けば買いに行きますよね。
ただ、修理って自分のところにふと来る、
事故に遭ったみたいなことで、
そのはじめてお願いする時に
「あ、ミスターコンセントにお願いしよう」とか、
「あ、サイバーコンセントにアクセスしよう」って
いうのが消費者の頭の中に入ってないと
なかなかお客さんにつながっていかないですよね。 |
鈴木 |
はい。そういうために店をオープンすると
ミスターコンセントの例でいうと
初年度は、かなり販促活動を
つまり、DMやチラシとか
そういうことをやるんですよ。
営業的にはサービスの営業をやるんです。
うちは、ほんとに
小売業的なサービスのやり方ですね。 |
田中 |
こういう西葛西のようなリアル店舗であれば、
マンションにチラシを投函したりすることで
まず覚えてもらって、
「修理の時にはあそこに行こう」っていう
コミュニケーションが必要になりますよね。
一方サイバーコンセントであれば、
お客さんが住んでるところとか関係なしに、
お願いしてもらえるっていう
チャンスが増えますよね。
ネット上で特にPRはされたんですか? |
鈴木 |
あんまり露出っていうのは意識しなかったですね。
最初オープンの時に、プレスリリースを
斧田さんの方でやっていただいたくらいですかね。
あとはミスターコンセントのチラシに
サイバーコンセントのアドレスを載せたり。
で、まあ日経や、ニッポン放送で紹介されたりして
何か自然に人が集まってきたって感じですね。 |
田中 |
そうなるとサイバーコンセントのプロモーションには、
ページの更新が大切になってきますよね。
何か更新の方針とかあります? |
斧田 |
基本的には販促っていうのがあるんですよ。
修理のサービスとはいえ、
「季節感」っていうのがあったりするんですよ。
春には引っ越しが多くなるとか、
冬間近になると暖房器具を出すとか、
お正月近くになるとプリンターを引っ張りだそうかと。
そういった季節感ごとの
販促に絡めた更新っていうのができりゃいいなと。 |
田中 |
「季節感」って面白いですねえ。
家電が壊れやすい季節ってあるんですか? |
鈴木 |
梅雨なんかはね。
ビデオがなんとかとか、
テレビとか多くなりますよね。 |
田中 |
へぇー。冬にもそういう傾向はあるんですか? |
鈴木 |
冬は家電が壊れるっていうよりも、
プリンターを普段使ってないけど
年賀状書くためにプリンター出してみたら
使えなくなってたとか。
実際、使えなくなってたケースのほとんどが
使ってないから使えなくなるんで、
普段から使ってれば問題ないけど
使ってないから目詰まりなんかを起こしちゃう。
他にもクリーニングできないとかね。
そういう故障を
ミスターコンセントかサイバーコンセントに来れば、
中2日くらいで直して返しますよっていうのが
売りなんです。 |
田中 |
はあ。 |
鈴木 |
あと3月になれば入卒園シーズンで
カメラが必要になる。
これもずっと使ってないもんですからね。
その時に使おうと思って使えない。
だから事前に直しておきましょうよっていうのを
販促の中に組み入れていこうとしています。 |
田中 |
季節性があるものなんですねぇ。 |
中村 |
メール受付担当者が言ってたのは
「雷が落ちると、
モデムやビデオが来るね」って。
で、実際来るんです。 |
鈴木 |
そうなんです。
その辺は雷に非常に弱いもんですからね。 |
田中 |
たまたま僕のケースは
ブレーカーが上がって壊れたっていう
ケースだったんですけど、
ブレーカーが上がると家電が壊れたりするんですか? |
鈴木 |
急激に電流が流れたりとか、
そういうことがあればありますよね。 |
中村 |
パソコンでよく来ますよね。
ブレーカーが落ちちゃって
パソコンがいっちゃったっていうケースが。 |
田中 |
あぁ、やっぱり。 |
中村 |
パソコンの修理は
来ねえんじゃねえかって思うけどね。 |
鈴木 |
なんてったって、
パソコンを使って頼むんだから(笑)。 |
中村 |
壊れてんだから、サイトも見れないじゃないですか。
当初は「あんまりパソコンの修理は来ないよ」って
言ってたんですけど。 |
鈴木 |
実際はパソコンの修理は全体の1/3くらい。 |
田中 |
へぇー。 |
鈴木 |
もっとかな?
半分くらいはパソコンになっちゃってるかな? |
中村 |
あとMDってものすごく壊れやすいんですよね。 |
鈴木 |
壊れやすいね。 |
田中 |
あ、次がMDなんですか。
ランキングでいうと、パソコンが半分くらいで。 |
鈴木 |
パソコンとあと、オーディオ。
その次がビデオ、テレビか。 |
田中 |
リアル店舗との間で
修理する製品の構成比の違いってあるんですか? |
鈴木 |
全然違いますね。
リアル店鋪の場合は、
パソコンの構成比は25%くらい。
地方によって違いますけど、大体20〜30%くらい。
そこをなかなか越えられないんです。
やっぱり、「黒もの」といわれる
ビデオ、テレビが多いですね。
4割とか占めてましたから。
構成比は全然違いますね。 |
田中 |
ああ。そういうもんなんですか。 |
鈴木 |
「白もの」は全然来ないですよ。 |
田中 |
「白もの」って冷蔵庫とかですよね。
そういう商品は
サイバーコンセントだとあんまり来ない? |
鈴木 |
できない(笑)。 |
中村 |
冷蔵庫、洗濯機はできない。 |
鈴木 |
できないっちゅうか、
そもそも来ないっていうのもあるんです。
要するに、商品をこちらに送ってもらうのを
日通に頼んでるんですけど
もう箱のサイズっていうのが
決められちゃうんですよ。
そうすると、
テレビは25インチ以上は運べないよ、と。
まぁ、「白もの」は少ないよね。
|
<ワンポイント用語解説>
家電界では、AV機器は「黒もの」、
その他は「白もの」と呼ばれてます。
「〜もの」というと
専門用語っぽくなりますよね。
「最近、アミノものが流行ってる」
そんな風に使いましょう。 |
|
|
中村 |
そうですよね。
炊飯器がたまーに。
あと電子レンジくらいですか。 |
田中 |
ということは、
これからはパソコンを中心に、
修理のお客さんを拡げていこうと
考えられているわけですね。 |
鈴木 |
そうですね。 |
中村 |
そこの狙いはアップグレードなんですよ。 |
田中 |
あ、アップグレードですか。 |
鈴木 |
パソコンって実際の修理っていうか、
マザーボードが壊れたら別ですけど、
記憶装置、ハードディスクの不良が一番多いんですね。
実際純正の部品を替える必要っていうのは、
メーカーとか
よく純正の部品しか使わないって
言いますけど、
純正も何もみんな同じ部品を使うわけですよ。
はんこ押してあるか押してないかの違いだけで。 |
田中 |
ああ。なるほど。 |
鈴木 |
うん。富士通のはんこが押してあるか、
NECのはんこが押してあるかで、
その元はクァンタムだとか
そういうハードディスクメーカーの
みんな同じディスクなんです。
で、アップグレードしちゃって、
みんな40ギガとか60ギガとか
大きいの付けた方が安いんですね、かえって。 |
田中 |
ほーう。 |
鈴木 |
で、そういう需要を見込んでやってます。 |
田中 |
ああ。特にこれから動画とか保存するようになると、
ディスク拡張したいっていう需要は
増えるかもしれませんね。 |
鈴木 |
と思うんですよね。 |