感心力がビジネスを変える!
が、
感心して探求する感心なページ。
第14回 (やや気恥ずかしいタイトルですが)
個を活かし、利を分かつ。
前回までのあらすじ:
家電修理受付サイトのサイバーコンセントに一目で感心。
西葛西店での取材に続き、
平塚店での朝礼に同席したあげく、
事業部長の鈴木さんにその解説をお願いしました。
今回登場する人達
サイバー
コンセント
事業部部長
鈴木優
趣味が
犬との会話と
散歩という
事業部長。
感心力の男
田中宏和
今回は
写真の頭が
切れてしまった
感心力の男。
電話会議中の鈴木部長
田中
んー、いやー、面白いっすねー。
これ、司会進行されてる方って、どなたなんですか?
慣れたさばき方ですよね。
鈴木
司会の彼は金沢にいて、
1年中、司会をやってるんです。
田中
(笑)え?
じゃ、年中無休なわけですよね?
鈴木
ええ、ほぼ年中無休に近い。
朝出て、各店に、所感述べさせて、
それに、バッとコメントを必ずつける。
毎日事例は違いますから、
それについて、
即座にスッススッスと、
コメントを出していく感じですね。
電話会議中のスタッフ
田中
途中、「事例」っていうお話されたのは、
この前お聞きした、
各店の特殊な修理のケースとか、
成功例のことですか?
鈴木
ええ、そうです。
どういうふうにやって修理注文が取れたか、
っていう事例紹介で、
フロントで自信持たせるようにする。
こうすることによって
商品知識もみんなにつく。
今やっているような
販促キャンペーンの始めのころは、
契約が取れた事例を、どんどん出させるんですね。
だいたい、みんな取れない事例を
言いたがるんですよ。
田中
はい。
鈴木
お客さんは電話を使わないとか、
ダイアルアップがいいとかですね。
そういう取れない事例を潰してくんですよ。
田中
はい。言い訳を潰していくわけですね(笑)。
鈴木
他店の良い事例見て、
何でできないんだ?って潰す。
69
うわぁー、すげぇー!(笑)
鈴木
これをやっていて、
商売がうまくいかないっちゅうことは、
ま、無いやな、っていう気がします。
災いを転じて福とすべし、ですね。
分社化していることもあって、
各店々に任せてますから、
思わぬトラブルとかに
遭うことあるんですよね。
そのようなことで萎縮しちゃったりする
ケースもあるんです。
田中
どんどん悪い話を出させるってやつですよね(笑)。
鈴木
うん。
そういうのは1回やれば、
もう繰り返さないだろうと。
また自信もつきますしね。
田中
いやー、良くできてる仕組みですよねー。
鈴木
これ、簡単ですけどね。
良くできてるような気がします。
69
毎日、その日の目標を設定させるんですね。
鈴木
毎日やるんですよ、毎日。
田中
これ、やっぱり、電話なので、
耳だけ集中しておけば聞けて、
情報共有できるわけですもんね。
鈴木
そうです。
だから、僕なんかはね、
仕事の半分ぐらいこういうことやってるわけ。
中には聞くだけの会議みたいなのもあるわけですよ。
それは、パソコンやりながら、
耳に入れていくということで、
電話でも参加できちゃいますね。
そういう意味でうちは
ナレッジ・マネジメントの、最たる会社なんです。
田中
先日、よその会社からも聞きに来るって
おっしゃってたんですけど、
どういう会社が多いんですか?
鈴木
聞きに来るっていうよりも、
この会議に、例えば吉本興業の販促やってる人とか、
ゲストとして招く。
それで、みんなに家電の小売業じゃない人たちが、
こんなことを今考えてるんだと、いうようなことを、
月に1回ぐらい40分とか50分話してもらう。
また翌月になると、
小っちゃい電気屋のオーナーは、
何を考えてるんだ、なんていう話を聞くんです。
69
はぁー!
田中
面白いなー!
鈴木
会議のコンテンツはすごく大事にしてますね。
やっていることはすごくアナログなんだけど、
ナレッジ・マネジメントみたいな、
そういうビジネス用語あるじゃない、
よくわからないんだけど(笑)。
田中
いや、なさってることは、そうですもんね。
ええ。ふーん。
電話会議は、すごいですね。はぁー。
鈴木
やっぱね、みんな人間が出ますよ。
69
出てますよね、なんか聞いてると。
あ、この人、ちょっとタルいな、とか(笑)。
鈴木
これね、平日やってるときなんかは、
もう、バンバン出ちゃいますよね、人間がね。
田中
顔が見えなくて声だけですもんね。ええ。
鈴木
声だけ。
まあ、僕なんかはけっこう知ってますけど、
他の人はだいたい、知らないわけですよ。
声だけでみんな顔も想像するから。
田中
だから、沈黙が怖くなりますよね。
鈴木
そういう時は「喋んないな」
って言っちゃいます。
田中
営業の訓練にもなってんじゃないですかね。
営業の場合、こう面と向かって話すわけですけど、
普段から、この、沈黙が、
禁ぜられているような場に出てるわけじゃないですか。
鈴木
そうそう。いや、まさにそうなんですよ。
で、みんなその、カウンターで営業させる。
そこにいて喋れないとダメなんで、
そういう訓練にはなってると思いますよね。
田中
ラジオに出てからテレビの世界に行くみたいな(笑)、
芸人さんみたいな、そんな感じだ。
69
ラジオができない人は、
テレビで使えないってこと多いですからね。
田中
トークの力、つきますよね、これは。
鈴木
だから、まあ、ごまかしてる人間とかね、
そういうのが上手い人間もいるわけですよ。
そこに、何ちゅうの、毎日聞いてるから、
そこに、ほんと心から出ているもんかとか、
うわべだけで答えてるという感じは、
もう、みんなやりとりの中に出ちゃいますよね。
「あ、今、あわてて走って来たな」
とかね。
走って来て、何も考えてねえやこいつ、
考えているようで、とか。
田中
口だけの人とかも、やっぱりいるんですか?
鈴木
いますよね。います、いますよ。
田中
でも、中にはこう、寡黙な人なんだけども、
数字はしっかり上げるとか……。
鈴木
あ、いますよ。
うちの店長なんかは、最たるもんだよね。うん。
田中
これは先ず、各自、達成目標を上げるんですか。
鈴木
いや、最初に、決めちゃうわけ、通し予算で。
キャンペーンが、あと残り10日とか15日ぐらいまでは、
もうずーっとこの最初の通し予算から
いっくらギャップが出ようが、かまわない。
そこで、あと10日で30ポイント残となると、
「どうするんだよ」、とかって、
けっこう詰めてっちゃいますね。
田中
(笑)。
鈴木
で、またその、小っちゃい目標数字は出させない仕組み。
あの、その、修正しながらも、
無理な数字を出るようなかたちにはなってます。
要するに、1歩でも先に行く。
田中
はぁー。
これ、達成すると、えー、給料が上積みされたりとか、
なんかボーナスみたいなのがあるんですか?
鈴木
ボーナスには多少影響するけど、
数字は分社でやってるから、各店の利益になる。
田中
はい、はい(笑)。
鈴木
店の利益になれば、えーと、
いちおうたくさん分社して
会社ごっこやってますから、
分社ごとで株価をつけるんですよ。
分社の株価。
田中
あ、分社ごとに株価をつけてるんですか!?
非上場なのに。
あ、それは面白い(笑)。
鈴木
計算基準があるわけですよ。
それで、株主配当みたいな感じで戻る。
田中
なるほど、なるほど。
あ、で、みなさん、分社の株を持ってるから、
その分社の中で、利益が来れば、
それが働いている人たちに還元されるわけですもんね。
鈴木
そうです。はい。
田中
なるほど、なるほど(笑)。
その株価って、じゃあ、月1で変動するわけですか?
鈴木
そうですね、月1か、2ヶ月に1回か、
メールで送られてきますから。
決算時にやりますね。半期とか。
田中
あ、本部がその株価を付けるわけですね(笑)。
鈴木
ほんとに本部があってね。ええ(笑)。
それがまあ、会計事務所とかなんと、色々やって。
そういう株価をつけて、ケツを叩く。
69
よくあの、シャレで、
今日、田中さん3円安とかって言うけど、
店ごとに格付けがどんどんされていくっていう(笑)。
鈴木
そうなんです、ええ。
田中
すごいなー(笑)。
なぜか朝礼にも参加している関心力の男
<ワンポイント考察>
最後の「すごいなー(笑)。」に
すべてが込められております。
考えられうる良さそうなことは、
やりつくされてる気がしました。
わたくしの感心段階は、
「あきれる段階」を超え、
もはや「笑う段階」に入ってます。
いやぁー、ビデオデッキが故障して良かったです。
サイバーコンセントへの感心は、
次回、総まとめ的な内容で締めくくりたいと思います。
あ、自分のビデオがどうなったかも、
ご報告しますね。
2003-03-12-WED
戻る