感心力がビジネスを変える! が、 感心して探求する感心なページ。 |
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折しも6月6日、 「ほぼ日」5周年記念日に 東京の文京シビックホールで文中に登場する ボロット・バイルシェフさんのコンサートが開かれます。 くわしくは、こちらのページをどうぞ。 |
その1●口琴 その2●洞穴唱法 その3●ホーメイ その4●スグット その5●声明 その6●長くできる その7●第6回より その8●第7回より その9●第9回より ※お聴きいただくには、Flash Playerというソフトが必要です。 ダウンロードはこちらへ! |
「声は鍛えられるんですよ、 みんなあまり知らないけど」 こんな一言を聞いた日にゃ、 「あー、それはぜひ聞かせてください!」と 感心力の大噴火であります。 その発言の主は、巻上公一さん。 http://www.makigami.com/ 巻上公一さんをご存じですか? まずは、こういうご紹介からいきましょう。 四半世紀もその活動を続けている長寿バンド、 ヒカシューのリーダー。 30才以上の読者のみなさま、 なつかしいヒット曲『20世紀の終わりに』を 思い出されたんじゃないでしょうか。 こう紹介しはじめると、 “あぁ、巻上公一さんとは、いわゆる歌手なのね”と、 「ほぼ日」読者のみなさまは 早のみ込みされるかもしれません。 いいえ、巻上さんの活動の幅を、 ビジネス風に言うならば「業務領域」を、 並べてみましょう。 「歌、即興演奏、作詞作曲、演出、 俳優、プロデュース」 日大芸術学部から図画工作系を引いた全部、 と言えます。 さらにこんな肩書きが控えています。
もうこなってくるとわけわかりません。 「中国武術花架拳を燕飛霞老師に学んでいる。」 これに至っては、漢字すらろくに読めないのであります。 「声は鍛えられるんですよ」 この一言にどきりとさせられたのは、 作家の田口ランディさん主催の「親睦会」。 「親睦会」って、 昨今耳にしない会合名なのでありますが、 たまたまわたくしが隣に座ったのが、 自称「超歌唱家」の巻上公一さんだったわけです。 そして、ひさびさに会った田口さんから、 「アルタイから歌手を呼んでのコンサート」を 巻上さんと企画していると知らされたのであります。 まったまたー、極端なネタを、といいますか、 聞くだに「そうとう荒れ球な企画」であることは 間違いありません。 まず、「アルタイ」。 博多弁ではありません。 地名いや、国名でありまして、 昔はソビエト連邦と呼ばれていたころは、 大国のいち地方名であったわけですが、 今ではアルタイ共和国という国家になっています。 「インド=ヨーロッパ語族」とセットで覚えた 「ウラル=アルタイ語族」の「アルタイ」です。 いずれにせよ、 世界レベルのど田舎であることは確かであります。 「アルタイから歌手を呼ぶ」 ということは、 アルタイに歌手がいることを前提にしているわけで、 わたくしの頭ではこの時点で混乱をきたしておりました。 ここで、先ほどの巻上さんの役職名のひとつを 思い起こしていただきたいのです。 「日本トゥバホーメイ協会代表」 「トゥバ」とは、「アルタイ」の右隣、 モンゴルとびたっと国境を接した、 これまた旧ソ連の「トゥバ共和国」のこと 「ホーメイ」とは、 トゥバ共和国で行われている歌唱法のことなのです。 勘のいい読者の方は、 おまえさん、 それは「ホーミー」のことじゃないのかい、と つっこまれたのではないかと。 そうなんです、近いんですけど、違うんです。 「ホーミー」はモンゴルの歌唱法、 「ホーメイ」はトゥバの歌唱法なんです。 で、近いというのは、 同じ「倍音唱法」の仲間だからです。 「倍音」って、また音楽の授業以来ですよね。 パソコン画面の前にいらっしゃるみなさま、 「あー」と声を出してみてください。 素直な方におかれましては、 今そうとう恥ずかしい思いをされたことと、 深く痛みいるわけですが、 その「あー」の音と、 いちオクターブ高い「あー」を 同時に出してみてもらえます? できない?? できるわけがない??? しかし、これができちゃう人たちが 中央アジアにいっぱい住んでいるらしいんです。 以上、いかにも付け焼き刃な解説はここまで。 さて、「アルタイの歌手」とは、 アルタイの倍音唱法「カイ」を操り、 アルタイの英雄叙事詩を歌う ボロット・バイルシェフさんのことなんです。 前回の「マタイアス・ディ・ヨング」さんに続いて、 またややこしい名前だ。 「ボロット・バイルシェフ」 それに歌うは「英雄叙事詩」ですよ。 なんでも昨年巻上公一さんの案内で、 田口ランディさん、田口さん担当の編集者丹治さん、 そして写真家の川内倫子さんが、 ボロット・バイルシェフに会いに行かれたそうなんです。 アルタイくんだりまで。 どうやって会いに行ったのかを聞いたのですが、 とても旅行というよりは、 印象として罰ゲームに近かったですね。 しかも、ボロットさんは、 馬でご一行を迎えたらしい。 「さすが遊牧民!」であります。 礼儀正しい。 そして、日本からの旅団は、 ボロットさんの歌声を生で聴き、 「ともかくびっくりする声」を体験したと、 口をそろえておっしゃるわけです。 冷静そうな川内倫子さんも 「ものすごくびっくり」されたそうで、 ただならぬ「びっくり」が想像できたわけです。 わたくしは、 つねづね腰を抜かすほど驚きたいと思うたちであります。 これは、そのボロットさんやら倍音唱法やらの話を 深く聞きたい。 しかも、「声は鍛えられるのですよ」ですから。 かねがね、人柄イメージは、 声でつくられるんじゃないかと思っていました。 仕事をしていても、 声のトーンによって、 プレゼンの通りが違うような気もしていました。 これは、ぜひ「ビジネスに役立つ声のつくり方」を 聞いちゃおうと思ったわけです。 さらに、ボロット・バイルシェフさんのコンサートは、 折しも6月6日、 「ほぼ日」5周年記念日に 東京の文京シビックホールで開かれます。 http://www.makigami.com/bolot/ 耳デカお猿がシンボルの「ほぼ日」で、 周年のお祭り企画だわっしょいわっしょいの最中、 倍音のように響く巻上公一インタビュー。 味わい深い趣きになること請け合いと、 いざ湯河原の巻上さんのご自宅兼スタジオに 出向いたのでありました。 註) さきほどアルタイのことを 「世界レベルのど田舎」と表現してしまいましたが、 ひょっとするとわたくしの 先入観のなせる馬鹿かもしれません。 もし、アルタイ共和国、トゥバ共和国、モンゴル、 この3カ国から「ほぼ日」を ご覧になっている方がいらっしゃいましたら、 ぜひメールで実際のところをお知らせ下さい。 この3カ国に行ったことがあるという人からの 「ど田舎」か否かの判定メールも いただけるとうれしいです。 |
2003-05-20-TUE
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