田中 |
ボロットさんが使われてる言語自体が、
日本語にない音を持っているという話ありましたよね。
やっぱりいろんな言語を習ったり喋ったりすることで、
声の可能性が広がるというか、
いい声になっていくことはあるんですか? |
巻上 |
ありますね。
意味が解らなかったとしても
いろんな言葉を聴くといいですよね。 |
田中 |
時々、英語でプレゼンテーションする機会があるんですが
そういう時は「自分はトム・クルーズだ」
と思い込んで、できるだけ
『ザ・ファーム』のトム・クルーズに
なりきって声を出してやってみようとか
思ったりするんです。
そういう声の演出みたいなことって
英語に限らず、
日本語でもすごく大事な気がするんですが、
まずは「いろいろ聴け!」と(笑)。 |
巻上 |
「聴け!」ですよね。
そうすると自分の表現が身に付くと思いますよ。
喉の使う位置も違うからね。
聴くだけで喉の位置って動くらしいんですよ。 |
田中 |
聴くだけで!
無意識に。 |
巻上 |
うん、喉って動くらしいんですよ。
よく聴くってことは、すごい大事みたい。 |
田中 |
なるほど。
人間は常に無意識に同調しようとしてる、
ってことなんですかね。 |
巻上 |
聴くことによって、イメージができるんですよ。
今、イメージトレーニングが盛んだけれど、
イメージができると、だいたいできるんですよね。
例えば、サンプリングのような
昔はなかった音楽があるじゃないですか。 |
田中 |
ええ、ええ。 |
巻上 |
ああいう継ぎ接ぎの音も聞くことによって
実際にできるようになるわけ。
僕がやってるようなパフォーマンスでも
サンプラーを弾いてるみたいな感じのものだったとしても
聴くと、できちゃうんですよ。
そういうことはたぶん、
今までできなかったと思います。 |
田中 |
テクノロジーの力で
フィードバックされてるからですよね。 |
巻上 |
イメージできるから、
簡単にできるっていうのもある。
テレビ見ているものも出来ますし。
普段から聴いてるわけじゃないですから。
(この辺りで披露されているボイスパフォーマンスも
対談の中で聞くことが出来ます。
ここをクリック!)
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田中 |
さっき耳から聞いたものによって
無意識に喉が動くって話あったんですけど、
それは体に響いてくるわけですね。 |
巻上 |
聞いた時点で
もう、練習してるんですよ。 |
田中 |
体が音叉みたいになってるわけですね(笑)。 |
巻上 |
そう(笑)。
ただ、もっと他の深ーい音、
例えばテレビにない音っていうのを獲得しようとすると、
やっぱり、アルタイの歌を聴いたり、
会ったり、行ったりとかすると、
もっといいと思うんだよね(笑)。 |
田中 |
さっき声帯のことを
「レゾネーター(Resonator)」と言われましたよね。
声帯って共鳴器なんだと思いました。
レゾナンスの幅が広がると、声も良くなるし。 |
巻上 |
そうですね、良くなると思います。 |
今泉 |
声帯の話で、ある一定のところしか使ってないって
話がありましたけど、
耳もきっと一緒なんですよね。
キャパシティーとしては、
すごい低音から高音まで聴き取れるのに、
都会にいると狭いところしか使ってないから、
きっと耳が欲求不満というか、楽しくないんでしょうね。 |
巻上 |
そうでしょうね。
今、やっぱり、いい音が少ないですよ。
やっぱりMDとかで聴いても
再生される音の幅が狭いんです。
MP3に至っては、もっと狭い。
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