では地方在住の人々は、
どういう風に自分の土地を
捉えていたのでしょう。
そこで見ていただきたいのが
鳥瞰図なんです。
鉄道の路線図に沿線の
施設や見どころを
配した路線図は、
それまでも制作されて
いたのですけれど、
大正2年(1913)から
この分野を手がけた
吉田初三郎の作品は、
非常な人気を得ました。
「初三郎式」と言われる、
はるか上空から、
超広角の魚眼レンズで
眺めたような構図は、
都市部の大会社だけでなく、
小都市の鉄道会社にも
求められるようになり、
それぞれの郷土を
描いた作品が、
全国に広まりました。
(江戸博学芸員・新田) |