「美しき日本 ― 大正昭和の旅」展

江戸博学芸員新田さんと小山さんのさらにくわしい解説



これは岡崎。
駿河湾を描いて、
端っこの方に富士山を持ってきてると。
これは比較的素直ですよね。

こちらが伊勢電鉄。
伊勢湾を描いて、朝日を描いて、富士山を描く。
これ渥美半島だと思うんですよ。
びよんびよんと伸びていますね(笑)。
伊勢が中心の時には伊勢をこれだけでっかく描いています。

奈良です。奈良を真ん中に描いておきながら、
飛び越えて伊勢湾を描いて、
鳥羽と伊勢神宮とここの間で、省略をしてしまう。

神戸も、六甲山を描きながら、
なぜか六甲山から東京が見えちゃう。

最後は小倉鉄道。今の西鉄の路線に
あたるところなんですけれども、
こちらではですね、角度が一転してるので、
九州から見た本州が描かれています。

こういうものを、拡大図も含めて、
今回の展覧会では一気に展示しているんですよ。
つまり何が言いたいかっていうと、各地の人が、
自分の街を中心とした世界が見たいと
思っていたんだな、いうことなんです。
自分の場所の特殊性と、
富士山に対する、自分の場所の認識を
こんなふうにしていたのでしょうね。

(新田)


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