ミーちゃんの縁側で、旅行の話なんかを聞く。
4.お正月にギリシャに行ったいろいろ(上)。
一回目のソ連の後だったか年末からお正月にかけて
ギリシャへ行った時のことだった。
私は行く前に殆ど調べたりして行かないので
何でも驚くことばかり。
又「一人参加」なので
お部屋の組み合わせは若いご夫妻と、同級生だったという
30歳くらいの大会社の事務員の女性で東京の人でした。
ご夫妻は今度4月に小学校へゆく
子供さんを連れてきていた。
そんなわけで翌朝アテネの自由行動は
同室の人はお友達と出かけるので私は一人になった。
ロビ-ヘ行きお土産でも買いに出たいと考えていたら
日本人の団体の人がこれから帰るところだと言っていた。
買い物に出たいと話したら、
ホテルの前からシンタグマと言ってタクシ-に乗れば
街の真ん中でお土産屋が沢山ありますよ。と教えてくれた。
不安だが未だお友達もないし、
それぞれ皆出かけてしまった。
シンタグマで車を降りたら
確かに小さなお店が沢山あった。
しばらく歩きながら店を選んでみたが
みんな同じ様なので角の店へ寄って見た。
有ること有ること金物のお皿に『絵』を彫った「壁掛け」、
太い毛糸の手織の「手提げ袋」や
陶器でステキな絵が書いてある「壁掛け」など
私が気に入りそうな物が沢山あつた。
沢山買ってひとまず外へ出た。
大きな道を横切って角から5軒目くらいの所に
大きな店があるので又、入ってみた。
とても広い店で綺麗に並べてある。
私が入ると一人の女店員(中年の)さんが付いてきて
次々と広げたり下げたりして見せてくれる。
あの頃は私はお勤めをしていたので
若い人や親戚やらお土産を沢山買っていた。
その内レジの女店員さんが私の方を見ては
そわそわしているようになった。
それでも欲しいものがあるので買っていた。
ようやく終わりにして
レジへ行って会計をした。
そして私が外へ出るやいなや直ぐ後ろで
ざりざりざりっと
良くフランス映画でみるようなシャッタ-が降りてきた。
危うく逃れ出た様な感じだった。
出た所は変形の広場のようで
店の前の道にも広場にも誰も居ない。
店のすぐ近くの歩道に「お巡りさん」(巡査)一人
居ただけだった。
中央の商店街なのにどうしたんだろう?と
狐につままれたようだった。
なんとなく怖くなりタクシ-も、殆どなく
仕方がないので「お巡りさん」にタクシ-、
ストッププリ-ズとそれらしい英語を並べてみた。
そこへ丁度良く一台のタクシ-が、右の方から来たので
お巡りさんが止めてくれた。
私は予備知識もなく来たので
「なんでこんなに人が居なくなるのかしら?」と
呆然とした。
タクシ-に乗ってから考えたら、
そうだ!
お昼寝の時間で家に帰るのだ。この辺の国は。
日本とは違うのだ。
と、店員さんがそわそわしていたのがやっと解った。
タクシ-の中はドワ-の内側の布張りに、
鍵裂きがあったりしている。
後で聞くところによれば「車検」は10年に一度とのこと。
予備知識もなく何処へでも行く。
そして「驚いている」。
これがミ-ちゃんなのだ。
(つづくわよ)
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