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質問:
保坂さんは、
「はやくから何かにならないほうがいい」
と考えているんですね。 |
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小説家になった後は、
ほとんど「しゃべる側」に立つんですよね。
小説家になっても
聞く側になるというのは特殊な時で、
それは他の専門の人の話を半分聞いて
こちらも半分話すということになるわけで、
よほどこちらがそのために
出かけないかぎりは
「聞く側」でいるのは無理なんです。 |
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……で、「しゃべる側」に立つと、
そんなに得ることないよ。
聞く側の方が
絶対に得ることは多いと思う。 |
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これは「読む側」と「書く側」にも
同じことが言えると思います。
「書く側」だけにいるのは
小説が好きだから
書きたいと思ったはずの気持ちを
おろそかにしているというか
「あなたはどうして小説家になったのか」
という根っこがなくなっちゃうと思うんです。 |
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ぼくはそんなふうに
小説家になる前はどうだったかとか、
名前が知れる前に書いていた時は
どうだったかとか、
そういうことにこだわっていてさ……
あのころの自分に
軽蔑されるようなやつになっていると
ヤバイよなぁと思うんですね。 |
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小説家もすこし名前が知れると
社会との関わりが増えちゃうんです。
そうすると
「劇団員がアングラだったころの時代に
あったような部分がなくなって、
つまらない小説ばかり
書く人になるんじゃないか」
というおそれがいつもあるんですよね。
有名になったおかげで
イヤなやつになった人っているじゃない?
ぼくはそういう人がかなり嫌いだから
そこは気をつけたいんです(笑)。 |
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明日に続きます。 |
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