おさるアイコン ほぼ日の怪談2005
怪・その23
「保健室のソファー」

わたしが高校2年生か3年生の時でした。
眠い時は保健室に行って、
「お腹が痛いんですけどー」
と言うと、
「じゃあそのソファーで寝てて」
と保健室の先生に言われ、
みんな、いつも同じソファーに
寝かされていました。
本当に具合が悪そうな時しか
ベッドでは寝かせてもらえなかったのです。

ある日わたしがそのソファーで寝ていると、
金縛りが襲ってきました。
すると、
突然大きなラジオの音が聞こえてきました。
その音はとても荒くて、聞きずらく、
うるさいものでした。
息が苦しくなりつつ、
そのラジオをよく聞いてみると、
「我が、日本軍は〜〜〜〜」
というように、内容が、
テレビで見たことあるような
戦争をにおわすようなものなのです。

え!

そう思った途端。
たくさんの足音が
わたしの前を行ったり来たりし始めました。

ええ!

さらには足音と共に、
幼稚園生くらいのコドモたちの声。
ワーキャー言いながら、
わたしの前をバタバタと走り回っています。

うるさい!
起きたい。
起きたいのに、起きられない。

すると、一人の足音が
わたしの目の前でピタリと止まりました。

そこでガバッ!とやっと起きれました。

目の前には誰もいないし、
ラジオもかかっておらず、
静かな保健室に、
わたしと先生の2人きりでした。

「先生、さっき幼稚園のコドモたち、
 ここに来たんですか??
 すっごいバタバタうるさかったけど」

「え?来てないわよ。誰も。
 ずっとわたし一人だったのよ」

「・・・じゃあ、ラジオは??」

「つけてないけど。 どうしたの??」

「い、いや、なんでも・・・」

そのことを教室に帰ってから友人に話すと、
友人は、つい先日そのソファーで、
馬の走る音や、鎧の音などを聞いたそうです。
それはまるで戦国時代の
戦のような音だったそうです。
(you)

2005-08-22-MON
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