怪・その3
「流れ星」
気温も下がり過ごしやすくなってきた
ある秋の夜のことです。
友人と部活から帰る途中、
その友人が「真っ赤な流れ星を見た」と
興奮した様子で言い出しました。
そこは明かりもとぼしい田んぼ道。
星もよく見えるので「そんなものもあるのかな‥‥」と
その時は深く考えませんでした。
ところが翌日、あんなに元気だった友人が突然、
体調不良で学校を欠席しました。
翌々日の金曜日も休み、
連休明けの月曜にも姿を見せません。
変に思った私は彼の家に見舞い行ってみました。
彼の母親に導かれて彼の部屋に入ると
ベッドの周りには大量の目薬がありました。
そして体を起こした友人の顔を見て、びっくり。
離れた位置からでも分かるくらい
彼の眼が真っ赤に充血していたのです。
友人から話を聞くと
あの夜から毎晩、真っ赤な流れ星が
夢に出てくるみたいです。
そして眼を覚ますと汗をびっしょりかき、
眼に激痛を感じるそうです。
数日後、彼は眼の手術を受けました。
彼の眼からは小石ほどもある
大きな腫瘍が取れたそうです‥‥。
(風の置物)
2007-08-01-WED