おさるアイコン ほぼ日の怪談2007

怪・その13
「うしろは、壁」

あれは5年ほど前、
嫁がまだ彼女だったころの話です。

2人で深夜、某牛丼屋に行きました。
向い合わせに座り、
談笑しながら食事をしていました。

その時、彼女に不可思議な事が起きました。
会話中、急に後ろから
通りすがりにぶつかったように
頭と左肩を押され、
気がつくと彼女は、
丼を覗き込むように頭をふせていました。
目の前がフッと暗くなったそうです。

でも、彼女のうしろは壁。
人が通りすぎるはずはありません。

彼女は顔を上げながら開口一番、
「今だれかに押された! 見てたでしょ?!」
と聞いてきましたが、
私は首を横にふりました。

その時私は違うモノを見ていたんです。

彼女が押される直前、
彼女の左目あたりから現れ、
私の右側を通り過ぎていった
半透明の、
チェック柄のシャツの裾のようなものを。

もともと霊感がほとんどない私たちの
数少ない体験です。

(もっつぁれら)


 
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2007-08-15-WED