おさるアイコン ほぼ日の怪談2009
怪・その27
ポニーテール


春先のある日。
電車に乗って職場へ通勤するため、
早朝から自転車をこいで
駅まで向かっていた時の事。
いつも「駅までの近道」として、
とある工場の前を通っていました。

工場というのは
人も通ればフォークリフトなども通るし、
当然車だって出入りする。

鉄くずやゴミなどが転がっていると
事故の元になるから、
常に工場の前の道や床などは
掃除されてキレイになっています。
そんな工場の前の道に、
水に濡れて「じめっと」した見慣れない塊が
ひとつありました。

まるで、三日月の様に曲がった塊。
それは、いわゆる「ポニーテール」というやつで、
水に濡れた「それ」が
ゴムとかでくくってる根元から
塊のような形でごっそり落ちていたのです。

自転車に乗っていたのと、
電車に乗るためすこし急いでいたので
立ち止まって見る事は出来ませんでしたが、
あきらかにそれが髪の塊であったことだけは
たしかに覚えています。

帰りもその道を通り確認しましたが
「ポニーテール」は無くなっていました。

気になって、家に帰って
その付近で事故や自殺があったのかどうか
調べてみると、
昔、大雨の日にその工場の横の川で
女子中学生が水難事故で亡くなったらしいです。

(h)


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2009-08-23-SUN