怪・その35
じいちゃんの仏壇
8月に入ってすぐ、
13年前に亡くなった祖父の夢を見ました。
祖父の姿は見えず、
真っ暗な中に青く光る人影が見えます。
青く光る人影は、胡坐を組んだ状態で
かなり遠くに浮かんでいました。
そして、ゆっくりぐるぐる回っていました。
(前転するように、です。)
私の頭の上の方から
祖父の声がします。
「ぐるぐる回されちゃったから、
帰り道がわからなくなったよ」
なんのこっちゃ、変な夢を見たなぁ、
お盆だからかなあ、と母に話すと、
母は、なんでもない顔で
「あらじいちゃん、
アンタのとこに行ったの。
やっぱりわからなくなったのね。」
普段離れて暮らす私は知らなかったのですが、
事情があって
今年の春に仏壇を動かしたのだそうです。
不信心なもので、
本来やるべき魂抜きなどの儀式をひとつもせず、
位牌をひょいと手荷物に入れて、
仏壇は海の向こうの長男(私の叔父)の家に。
私は手を合わせて、
「じいちゃん、帰るとこは叔父さんとこだって。
迷子になりそうだったら、私のとこでもいいよ。
地図を用意しておくからね。」
と話しかけましたが、
さて、じいちゃん、このお盆どう過ごしたのやら。
その後夢に出てきてくれないので、少し心配です。
(n)
2009-08-30-SUN