おさるアイコン ほぼ日の怪談

「わたしと同じようにしてあげる」


実際の話です。

小学1年生のお誕生日ときに祖母が
「モモちゃん」という
西洋人形風だっこ人形を買ってくれました。
最初はずいぶんかわいがっていたのですが、
知らないうちに、
どこか部屋の中で埋もれてしまっていました。
そんなことはすっかり忘れていた真夜中
私は夢を見ました。

モモちゃんが、襲い掛かってきます。
ケタケタ笑いながら。
逃げまどう私、でもつかれきって
つかまってしまいます。
右頬にナイフでギリギリと傷をつけられました。
あまりに生々しくて痛くてが、目が覚めました。
そのリアルさに現実か夢か一瞬わからず、
モモちゃんを探しました。

どこにいる?
そういえば、いつからいない?
‥‥思い出せない‥‥
部屋の中をどんどん探すと、
たんすの裏から右頬に真っ黒い傷のついた
モモちゃんがでてきました。
何をしても(ベンジンとか布でふいたり)
消えない傷‥‥

もうすぐ私の誕生日。毎年思い出します。
モモちゃんは、
黒い傷をつけたまま微笑んでいます。
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