第2回
「釣り小話」

ぼく、サイトウ・カイジン(色白)。
いいマダイでしょ。 |
ちょっと古い話になるが、10月8日に真鯛を釣りに行った。
鴨居のシャクリ釣りに初チャレンジの人を含め、
同行者は4人。
大潮直後の中潮で、条件はバッチリだ。
当日はその道では有名な仕立て船の船頭
「純ちゃん」を取材する予定だったので、
チャーターの「仕立て船」を押さえていた。
ところが、思いのほか風が強かったため、仕立て船は断念して、
予約がいらない大きい方の乗合船で釣りに行くことになった。
結果から先に言うと、その日はぼくだけノーフィッシュ。
ぼくたちの他にひとりお客さんがいて、
純ちゃんも一緒に釣りをした。
6人で釣った鯛は合計15枚である。
初めての人も見事2枚釣ったというのに、何とも情けない。
翌日の「日刊スポーツ」に掲載された「純丸」の釣果は
「0~4匹」。もちろん、0はぼくのことだ。
ああ、心が痛い。

これが純ちゃんなのだが・・・、
ま、黒いオジサンなんだべ。 |
ぼくは子供の頃から「純丸」に通っていて、
ボウズ(ノーフィッシュのこと)は滅多にないのだけれど、
どういうわけか最近ちょくちょく
ノーフィッシュになってしまう。
こういう時に「運」や「ツキ」といった話を持ち出すのは
非常に悪いことである。
釣り方なり、道具なり、どこかに必ず物理的な原因が
あるはずで、じっと考えこんでいたら、純ちゃんが、
「漁師の奥さんが男の子を身籠もると
魚がパッタリ捕れなくなるんだべ」と慰めてくれた。
女の子の場合は漁が増えるらしい。
今、ぼくの妻は臨月である。
生まれてくる子供は、果たして男の子なんだろうか。
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