フランコさんのイタリア通信。
アズーリにいちばん近いイタリア人の生活と意見。

2008年、イタリアサッカーことはじめ。

みなさん、新年おめでとうございます。
新しい年の訪れとともに、
多くの人が「今年の目標」などを掲げますね。

イタリアでは、‥‥とくにサッカー界では、
どうでしょうか?
こちらでは、
もっと善良で正直であること、そして、
何にも増して良い成績をおさめることを、
サッカー関係者のだれもが誓います。それというのも、
1月4日から31日まで行われている
イタリアのカルチョ・メルカートで、
ティフォーゾたちがまた夢を見られるからです。
すでに強いチームはもっと強くなることを願い、
弱いチームは競争力をつけるための
改善を願うというわけです。

franco

ACミラン、新しいキーパーと
センター・フォワードを考える。

横浜で勝利して世界チャンピオンになったACミランは、
1月13日にサン・シーロ競技場でお祝いをしましたが、
ベルルスコーニ会長は、まだご不満のようです。
永遠のライバルであるインテルが
ACミランに20ポイント以上の差を付けて、
カンピオナートの1位にいるからです。

このままではACミランは
本年度のスクデットは取れません。
そればかりか、次回の
チャンピオンズ・リーグに出るためには、
国内リーグで4位内にいることが必要なのですが、
12月23日の対インテル戦、
つまり伝統的なミラノ・ダービーでは、
自チームのゴールキーパーであるジーダが
ACミランに敗北をもたらしてしまいました。

ACミランは、すぐにでも
新しいキーパーを見つける必要があります。
そのためにも、この時期のメルカートは有益でしょう。
ACミランのティフォーゾたちは、
スター選手ロナウジーニョの獲得を、
いまだ夢見ていますが、
彼がやってくる可能性があるとしても
6月を待たねばなりません。
まずは新しいキーパー問題が先決です。

ジーダはすでに仲間や監督の信頼を失っており、
ベルルスコーニ会長はさらに不信感を募らせていますから、
ジーダの埋め合わせをするべく、
彼より優秀であると思われる
フィオレンティーナのフレイ選手を獲得するために、
2千万ユーロを提示する準備が、
すでに整っているそうです。

ACミランの目標の中には、
インザーギの年齢や
ジラルディーノの目下の不調をうけて、
センター・フォワードの獲得という項目もあります。

カカは世界最優秀選手賞を取り、
パトは最強の選手になり得る18歳であり、
この2人のブラジル人選手のそばに、
やはりだれかブラジル人選手が付けば
大いに役立つでしょう。
その役目のはずだったロナウドは、
いつも太り過ぎや負傷の問題を抱えていますから、
彼のポストを引き継げる「だれか」という意味です。

そして、この目標にまさにぴったりなブラジル人がいます。
パレルモのアマウリです。
彼には2千万ユーロの値がついていますが、
ベルルスコーニなら、役に立つ選手を入手するためには、
もっと高額を準備する心づもりがあるはずです。

amauri

franco

インテル、マニシェに白羽の矢?

さて、もう一方のインテルは、
チャンピオンズ・リーグで善戦するために
ミッドフィルダーを探しています。
イタリアチャンピオンであるとはいえ、
チャンピオンズ・リーグでのインテルは、
1965年(まだチャンピオンズカップと呼ばれ、
テレビは白黒という時代でしたが)からずっと、
優勝カップを取れずにいます。
そのために白羽の矢が立てられているのは、
アトレティコ・マドリードが900万ユーロで
手放すであろうマニシェ選手です。

maniche

イタリアサッカー界で歴史のあるもうひとつのチーム、
ユヴェントスは、
降格されたセリエBで優勝して戻った
セリエAでも、健闘しております。
クラウディオ・ライニエーリ監督は、
インテルに次いで2位につけるために、
そしてチャンピオンズ・リーグに直接参加できるために、
選手を2人入れることを要求しています。

まず、ポストを確保できないでいる
リヴァプールのシッソコを。

sissoko

次に、ハンブルガーのファンタジスタである
オランダ人選手ファン・デル・ファールトを。

vandervaart

ユーヴェには、ACミランやインテルと違い、
チーム強化のためなら簡単に大金をはたく
ベルルスコーニやモラッティのような会長がいません。

それでユーヴェは、
経済の収支に気を使わないわけには行きませんが、
シッソコやファン・デル・ファールト獲得のためには、
1月の終わりを待たずに思い切る覚悟があります。

夏のカルチョ・メルカートは大きな夢であり、
その一方で冬のメルカートは大きな希望と言えるでしょう。
ACミラン、インテル、ユヴェントスの
どのチームがより良く動くのか、
見守ることにしましょう。

訳者のひとこと

みなさん、あけましておめでとうございます。

イタリアのラジオでは、
ナポリのゴミ問題で大騒ぎです。
日本も同様の問題を抱えているはずで、
他人ごととは思えません。

それはともかく、
今年も分かりやすい翻訳に、引き続き努力いたします。
これが私の「今年の目標」のひとつです。
で、早速ですが「ジーダ」という表記について、
今まではイタリア語読みの「ディーダ」を
採用していましたが、
ロナウジーニョの例のように原音表記にして、
日本でも通りの良い「ジーダ」にしました。

dida

翻訳/イラスト=酒井うらら

2008-01-16-WED

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