ロナウジーニョをめぐる、
ベルルスコーニとモラッティの決闘。
イタリアでは、この13日と14日が
総選挙の投票日でした。
首相への返り咲きをはかるベルルスコーニですが、
選挙キャンペーン用の大ボラじゃないのかと
疑われるような発言を繰り返しました。
もはやおなじみの、
ロナウジーニョ獲得の件です。
選挙キャンペーンの間じゅう
「ロナウジーニョはACミランに来たがっている。
そして私は私のティフォーゾたちを
満足させるだろう」と、
何度もくり返し公言したのでした。
ところが、日を追うにつれて、
この発言もまんざら絵空事でもなさそうな
真実味をおびてきたのです。
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2000万ユーロ?
それとも2500万ユーロ? |
ここ数年にわたって
世界のサッカーを照らすスーパースター、
ブラジル出身のロナウジーニョですが、
昨年にはバルセロナとの間の問題が浮上し、
チームの仲間たちが彼の「甘い生活」を非難したことも、
一度や二度ではありません。
流行最先端のディスコに入りびたり、
どんな場合にも、
ミネラルウォーターよりワインを飲みたがる、と。
この指摘にウソはありませんが、
それでも彼がトップスターであることに変わりはなく、
彼は、ずば抜けた選手をとおり越して、
究極の価値ある人材でありつづけています。
フランスの月刊誌「フランス・フットボール」が、
先ごろ、世界のサッカー選手の
収入上位者リストを載せました。
1位はデイヴィッド・ベッカムです。
彼は、サッカー選手というよりは、
メディア全体の逸材ですね。
彼についで2位に付けたのが、ロナウジーニョでした。
このロナウジーニョを、ベルルスコーニが
ACミランに獲得すべく、鼻息をあらげているなか、
先週の木曜日、これに割って入った人物がいます。
イタリアサッカーの、もう一人の超大物、
インテル会長のマッシモ・モラッティです。
ミラノのサッカーにおける宿敵同士が、
またもや火花を散らしてにらみ合った格好です。
その日、モラッティは記者たちと話ながら、
「ACミランはロナウジーニョに
いくら払うつもりかね?」と、
質問を投げかけました。
答えは、2000万ユーロ、です。
「じゃあ、私は2500万ユーロ、提供しよう」と答えて、
軽く微笑みながら、
モラッティは決闘の手袋を投げかけたのでした。
▲大見出しは、「ロナウジーニョの競売」(横に金額が出ています)
その上の小さな文字の部分は
「メルカート、ベルルスコーニは交渉を確かなものにした、
しかし、そこには黒青たち(インテル)も居る」
この本気の対決に喜んだのは、
バルセロナのラポルタ会長です。
彼は、すでにロナウジーニョを売ろうと決めています。
この桁外れなブラジル人選手がいなくても、
彼のチームは勝てると知ったからです。
ベテランのエトーの他にも、
メッシ、ボヤン、ドス・サントスらの
有望な若手がいますから。
その上、ラポルタとモラッティは友人同士です。
モラッティがベルルスコーニより高値で
ロナウジーニョを買ってくれるなら、
ラポルタは何の不満もないでしょう。
ただ、ロナウジーニョの意志が優先されるのは明らかで、
彼は、ACミランなら言葉の問題が無いこともあり、
すでにACミランを選んでいるようです。
ACミランには、ざっと眺めても
カカ、パト、セルジーニョ、エメルソン、
カフー、ディガオなど、
ブラジル人選手の集団がおります。
こんなにたくさんのブラジル人選手がいる
イタリアのチームは、
ACミランだけです。
でもどうでしょう、
ロナウジーニョがインテルでプレイする可能性も、
まったく無いとは言えません。
ロナウジーニョは、UEFAチャンピオンズ・リーグの
大舞台に出ることをねらっています。
彼のコマーシャルでの肖像権をもっと利用するために、
イタリアの国内リーグ・カンピオナートより重要な
「ショーウィンドー」に並ぶことを、望んでいるのです。
この点だけを見れば、ACミランは不利だと言えます。
UEFAチャンピオンズ・リーグには、
カンピオナートの上位4チームまでが参戦できますが、
この時点で、ACミランは4位までに入っておりません。
ACミランが次期UEFAチャンピオンズ・リーグに
参戦できるかどうかは、微妙です。
ロナウジーニョ28歳、
考える時間はあまり残されていません。
このずば抜けたブラジル人選手が
来シーズンをどこでプレイすることになるのか、
イタリア・カンピオナートの
今後5試合にかかっています。
訳者のひとこと |
この記事は、週末から月曜日にかけて制作しています。
ですから、フランコさんが記事を書いて、
私が翻訳している間は、
総選挙の結果はまだ出ておりません。
果たして、ベルルスコーニは勝利したでしょうか。
よその国の選挙結果でも、気になりますね。
(ちなみに、イタリアはもう
夏時間の季節に入りましたから、
時差は7時間です。)
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翻訳/イラスト=酒井うらら |
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