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イタリアでは、夏のバカンスシーズンが始まり、
ぼくも、別荘のある
トスカーナ州のモンテプルチアーノを訪れています。
花とワインの街で知られているこの街なのですが、
“ヴァンパイアと狼人間の地”に選ばれて、
全世界の映画館に登場することとなりました。
世界遺産の街でもあるモンテプルチアーノには、
まさに宝といえる建物が連なり、
なにやら暗示的な細く薄暗い路地もふくめた街全体が、
中世からルネサンスにかけての
古いたたずまいを残しています。
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そうであるからこそ、
映画「トワイライト〜初恋〜」の続編となる
「トワイライト・サーガ『ニュー・ムーン』」の
最後の場面に、このモンテプルチアーノが
ロケ地として選ばれたのでした。
原作本にイタリアの街として登場するのは、
同じトスカーナ州のヴォルテッラですが、
この映画の監督はモンテプルチアーノを選びました。
「悪」に立ち向かう「善」という永遠の構図の中で
ヴァンパイアが狼人間同盟と戦うには、
イタリア中で最も適した街だ、というわけで。
モンテプルチアーノの家々、
特に、かつては敵から街を守っていた
中世の壁の内側にある古い家々は、
まるで空と大地の間に吊り下げられているようです。
そして、家ごとに窓辺には
たくさんの植木や花の鉢が置かれています。
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穏やかな日には太陽の光を集め、
ぼくは本当に素晴らしいと思うのですが、
雨の日にはその雫を受けながら
その家々をさらに優しく美しいものに
しているのです。
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そしてさらに、その優しさと色彩が、
良質の葡萄の木の育つ丘に囲まれているこの街を、
いっそう美しく彩っています。
このあたりの葡萄からは、
2000年前の古代ローマから知られ、
今も世界的に高品質を誇る
気高く素晴らしいワインが作られます。
ここから20kmほどのところにあるモンタルチーノは、
世界でもトップクラスに数えられる赤ワイン、
ブルネッロ・ディ・モンタルチーノの産地です。
そして、花々と葡萄畑の中の小径や中世の墓地で
ヴァンパイアと狼男たちが戦いをくり広げれば、
世界中の観客たちを身震いさせられると
「トワイライト・サーガ『ニュー・ムーン』」の
制作者たちは判断したのでしょう。
これは、「ニュームーン(新月)」の時に
狼に変身する人たちの家族を中心に、
子どもから年寄りまでだれもを襲い打ちのめす
悪の勢力と、「偉大な愛」の物語です。
世界中で記録的な興行収入を出したヒット作
『トワイライト〜初恋〜』に続けとばかり、
続編「トワイライト・サーガ『ニュー・ムーン』」も、
公開に向けて着々と準備を整えています。
それにしても、モンテプルチアーノが
ヴァンパイア伝説の中心地だなんて、
かつて例を見たことがありません。
映画の撮影はすでに終了していて、
夏の観光客用の宣伝にもそのシーンが
使われています。
中世という過去の面影を強く残す広場や道、
墓地の神秘的な雰囲気が、
この手の物語の背景にピッタリなのです。
撮影中は、大人よりも
子どもたちが大騒ぎだったようです。
怖がるどころか、むしろ興味津々なまなざしで。
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それにしても善と悪の交差する
神秘的でミステリーな映画が流行っていますね。
「ダ・ヴィンチ コード」「天使と悪魔」など、
これらは根底でカトリック教会のミステリーを
あつかっているように思えます。
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「トワイライト・サーガ『ニュー・ムーン』」
への期待は、伝染するかのように広まっています。
「ハリー・ポッター」や「指輪物語」なども
そうですが、ファンタジー物が大人気ですね。
たぶん、現実にうんざりして、
重く考えたくない人々が、たくさん、
いや、たくさんすぎるほどいるからでしょう。