ガンジーさん。
いつ途切れるかわかりませんが
今後ともよろしく。

2.おそるおそる、質問してみた。

私信と私信のやりとりなので、
そのままナマなカタチで掲載するのは憚られるが、
ぼくは、この陽気な癌宣告された65歳の方に、
メールを書いた。

いちばん知りたかったのは、
当然のことながら、「ほんとうですか」ということだが、
インターネットが、こういう状況の人に
「あまりにも面白すぎる」といった
特別な意味を持っているらしいことについて、
もう少し聞いてみたかった。

ただ、年長者だし、たぶん入院中の方だし、
書き方がむつかしくて、すぐには書けなかった。
しかし、考えていてもしかたがない。
とにかく来てみようと思った。書き出した。

メールにはよくあることだけれど、
もっと慎重に書くつもりだったのに、
書き終わったとたんに送信ボタンを押してしまった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

■Re: "癌爺”と申します.ハイ。

糸井重里です。
はじめまして。

あまりに元気で強烈なメールを頂戴し、
びっくりしています。
あらためて、そうお訊ねするのは失礼かもしれませんが、
ほんとうなんですか?

インターネットが、
おもしろくて完全にはまり込んだというのは、
どういうあたりに感じたんでしょうか?

>いつも 一方通行で歩んできた私たち世代には
>このPCという奴は あまりにも面
>白すぎる。

とお書きになっておられるように、
双方向性で、反応が交換できるというようなところですか?
もし、そのへんのことがわかれば、ぼくらも含めて、
ネットを使って発信している人々の大きな励みにも
なりますし、いいところを伸ばしていくための
きっかけが見つかるように思います。
お教えいただけたら幸いです。

>『親戚新聞」なるものを 一親
>等親族に 毎朝届けております.。

これも、もうひとつ、アドレスを追加して、
「ほぼ日」にも送っていただけますでしょうか。

びっくりしたまま、こうしてメールを書いておりますので、
なんだか失礼な文面になっているかもしれませんが、
若輩者のことと、寛容にお許しいただけましたら幸いです。

お大事に、お元気に。

<darling>

 ONLY IS NOT LONELY
  ■■■ ■■■
    ・  ・
     ●●
  _______ 
  Shigesato ITOI
<https://www.1101.com>

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ぼくのほうも、できるだけ他の読者に書くときと
同じような距離感で書こうと、
苦心していたんだなぁと、いまになって思う。

この時くらいから、ぼくは“癌爺”という漢字は
どうにもこちら側からは書きにくいので、
「ガンジーさん」と言いたいものだと考えていた。

(つづく)

2000-08-23-WED

BACK
戻る