ガンジーさん。
いつ途切れるかわかりませんが
今後ともよろしく。

41.おだて。

ホントにこの人って、自分の思考を休ませない。
スポーツマンの才能豊かな人は、
止まっているときにも動きを感じさせるけれど、
ガンジーさんは、どんなときにも
心が動いているというのが、すごい!

さらに、そこに「ことば」がついていっている。
立川談志さんとかと、同じ種類の才能を持った方かしら?

ま、読んでつかーさい。

___________________________

◆「おだて」

病院で採血のとき 看護婦が言った
”どこか痛いところがありますか?”
「うん こころが痛む あなたにラブシックだ」

「痛てっ!」
若い看護婦の手許がくるった。
「元」ではあるが まずまず美人の類に属する
年配の看護婦がいる。 
点滴中たいくつなので話しかけた。
「山田さんは 若い頃
映画会社からずいぶん
さそわれたことでしょうね?」
彼女そのあと 
ひんぱんにガンジーの様子をみにくる  
”点滴 順調におちてますね”
とか 
”気分がわるくなったら呼んでくださいね”

呼びもしないのによく来る。

これも採血のとき。
 いかにもヤクザ風の男が看護婦に言ってる。
”俺 注射によわいんだ お手やわらかに頼むよ”
次はガンジーの番。

脱脂綿をおさえながら席にもどるそ奴のまえで
「看護婦さん どうも今朝は眠くていけねえ。
馬用の太い針で威勢よく ブスっとやってくれ」

うしろで かすかな殺気を感じた。
このスリル! たまんないね。

これは入院中のこと。
洗面所で若い男に言った。
”おっ いい髪してるな 
TVのCMにでられるぞ。
おれ 広告屋なんだ”

翌朝かれは 場所をあけてくれた。

ヤブに暑中はがきを出した 心にも無い事をならべて。
次の診察のとき
彼はめずらしく笑顔をみせた。 
(きもちわる〜)
院内売店で おばさんに
”むかしはずいぶん男にさわがれただろうね?”
でも...つり銭は正確だった。

病院って 退屈きわまりないところだもんね。
   

___________________________

ガンジーさんのガンは、「癌」だったはずなんだけど、
頑固の「頑」かもしれないと思い始めた人も
いるでしょう。
もうひとつ、玩具の「玩」もあるんだよね、きっと。

そんな人だから、女性やこどもに、
ずいぶん人気があるんだよなぁ、このページ。
っていうようなことを思いながら、ぼくの返事を。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ガンジーさま。

「読めと、盗め」

あいかわらずの大活躍ぶり、受けてます!
退屈な病院を、退屈なままにはしておかねぇぜ、という、
そのタフネスぶりは、お見事であります。

連載「ガンジーさん」は、うちのヨメも、ムスメも、
毎日愛読しているということがわかりました。
ぼくは、これをヨメとか、
このテクニックをムスメ(盗め?)とか、
「ほぼ日」に関しては言わないことにしているのですが、
やつらは、勝手に読んでいました。
「おもしろい」んだそうです。
・・・ぼくの書いたものを彼女らは、
果たして、読んでいるのでしょうか?

ま、生きた古教科書が、ぼろぼろになって
そばにいるわけだから、
ぼくの書いたものなんか読まなくてもいいんですけどね。

朝に届いた「親戚新聞」の返事を、
こんな朝(夜のつづきの早朝)に出しているというのも、
妙ですね。

じゃ、また、今日!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
さらに、おまけ。
ガンジー一家のおもしろセンスは、
もちろん「長美女」の「源母」さんにも遺伝している。
以下は、この号の「the親戚新聞」への感想。
ガンジーさんが、こっそり送ってくれたもの。
____________________________


From 台所

昨日はすごい雨と雷だった。
源は家から一歩も出してもらえずイライラ。
その分、今日の午前中は、公園おおハシャギ。

昼飯後一人でキーボード(電子ピアノ)を弾いてた
と思ったらいつのまにか寝ていた。
夜もこうだと有難いんだけどな。

・・・てなわけで、今夕飯の支度をしながら
PCを開いてる。
ノート型は、いちいちコードをつなげる面倒はあるけど
どこへでも持ってけるのがいい。
台所で火加減を気にしながら出来る。
じゃがいもと、マウスを間違えそうだが・・・。

朝の”親戚”で思い出した。
背中いっぱいの刺青をしたチンピラが、
点滴をさすのが怖くて退院した事があった。

”おいおい、刺青入れた時は全身麻酔だったのかよ”
って言ってやりたかったね。


夕飯の支度が一段落したから、
ちょっと優雅にコーヒー片手にPCでも・・・
と思ったら突然画面が真っ暗に。
なんなんだ〜。
立ち上げするボタンを押したら何もなかったかのように、
さっきまでの画面が出てきた。よくわからん!!

医者の予想でいけば
今ごろ山口家は”喪中”。
”あなたの命はあと数ヶ月です”・・・なんて事を
言って当たろうがはずれようが
平然としてられるのは医者だからなんだよね。
詐欺、恐喝、、、?
福永法源や、
シャクティーパットの高橋代表にしても
さしてかわらないような・・・

いやいやこんな事をいっては”バチ”があたる!
お父さんが今元気でいられるのも、主治医様様なんです。
(ところで、先生。
あなたの名前はなんでしたっけ?!)
・・・9月12日親戚新聞 朝刊<おだて>を読んで    
長女

____________________________

こういう人々ばっかりの家なんだなぁ。

(つづく)

ガンジーさんへの激励や感想などは、
メールの表題に「ガンジーさん」と書いて
postman@1101.comに送ってください。
(すべて届けられるとはかぎりませんが)

2000-10-04-WED

BACK
戻る