ガンジーさん。
いつ途切れるかわかりませんが
今後ともよろしく。

147. 家族の算数。

ひとりとひとりで、家族の最小単位の夫婦になって。
その後で、子供が加わっていく。
そうなると、ふしぎな算数ができてくるらしい。

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「華族ではないが、家族だ」

夜型の我々夫婦だったが、
食事時間のことなどもあって
ガンジーは退院後、早起きだ。 
すまないとは思うがタスデ美の食事仕度時間のながさと、
その出来具合はいただけない。 
お断りしてるので当然彼女はお寝坊である。

昼もそうだ。 
夜は一緒だが、幼少時から苦労続きで育ったせいか
彼女の話題はいつも暗い。
愚痴と近所の悪口、そして三面記事の悲惨な話ばっか。 
こいつは健康によくない。 
だから会話が噛み合わない。 
チンパンジーみたいに唇だけヒクヒクさせてる。 
そんな時、朋姫が加わってくれると
俄然、雰囲気が変わる。
おしゃべりではない姫だが、
タスデ美の表情、声の感じが一変する 
笑いが爆発する。
1+1=2でも、 
2+1=は、3以上だ。

家族ってこんなもんかなぁ、と思う。
別棟に住む姫は自炊をしてるが、
タスデ美はほとんど毎晩のように、
帰って来るのを気にしてるし電話をかけてる。
「食事は済んだ?」 
「美味しいおかずがあるから食べにおいで」
 (うそつけ!うまかないぜ) 
「今日はスーパーで、
かわいい猫の絵のついたスリッパがあったので買ってきた」
とか、 
「あのマンションの横にいた猫、
今日は居なかったけど、あんた知らない?」

勤め人は駅までの道しか頭にないのに
そんな事知るか!と思うよ。
もう、一方的にしゃべりまくってる。
末娘の根気、いや婚期はおくれるはずだ。 
よそも、そうなんだろうか?
そのくせ、「彼氏とはどうなんだ?」 
「早く(結婚)しないと
おとうさんが式に出席出来なくなるよ」と言って脅す。
ほっといてくれ!ってんだ、
去年お別れの挨拶はすんでるんだぜ。
むずかしい母親心理。 
ガンジーが朋姫に言った事がある。
「結婚しなくても、女は子どもを産むべきだ」と。  
タスデ美がマジで怒ったな。

うん、これはたしかに軽率だった。 
世間を気にしすぎるタスデ美に
勧告のつもりだったんだ。  
子どもは、ふた親で育てるほうがいい、
ふた、がないと煮立たないから
いい料理が出来ないし時間がかかる。 
したがって、いつまでも親離れしない子になってしまう。 
われ鍋に豚汁、ん?
「われ鍋にとじぶた」だったね。

話しはずれるが、ムカシ、
慶応大学の先生に、林 たかし、という教授がいた。 
彼は作家としても活躍し、
ペンネームは、木々高太郎とか称してた。
で、その先生は
”人生2度結婚説” というのを提唱してた。 
20代で40代の人と結婚し、のちに
自分が40代になったら離婚、
そして20代の若い人と再婚する。 というもの。
これ、若いガンジーの心の中に住みつき、
しばらくは離れなかった、と記憶している。
10代→20代初めには、年上の人に惹かれる,
甘えたいんだね。 きっと。
そして40代、こんどは反対に、可愛がり、の相方に変じる。

男と女が、痛てっ! 間違えちゃった、
男と女がいて夫婦が出来あがり、
子どもが出来て家族になり、
その子どもが成人、結婚して親戚が出来あがる。
双六みたいにマゴマゴしながら人生を送り、
最後はたった一人で ”上がりっ!” 
 
サイコロは次世代に引き継がれる。

去年、渡すはずだったそのサイコロ、
しばらく預かっとくよ

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林髞(はやしたかし)先生の、
「人生二度結婚説」は、ある程度の年齢の人なら、
ほとんど全員知っているんじゃないでしょうか。
動物としての人間を考えても、
かなり理にかなっていると思えるんですけれどね。

(つづく)

2001-01-19-FRI

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