ガンジーさん。
いつ途切れるかわかりませんが
今後ともよろしく。

206.がんばれ、のこと。

がんばれ、とやたらに言う人もいるし、
がんばれと言われるのがほんとにイヤだという人もあるし、
がんばれと言われてうれしいこともあるし、
がんばれという言葉しか思いつかないこともある。

がんばれと言われるのは、腹が立つと、
一度ならず書いたガンジーさんが、
あるメールをきっかけにして、
「補足」したいという気持ちになった。

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「ある メールから」

「頑張って!」 と言われるのが嫌い。 
と前に書いたが、
さる医大の学生さんから戴いたメールに、
「他に適当な言葉が思い当たらず、
やっぱり 『頑張れ!』 って言ってしまう」
と、あった。
 そこで、この事で今日は補足を書きたい。

たしかにその通りなんだ。 
ただガンジーが言いたいのは、
当たり前の事だが、言葉がすべてではないということ。
おなじ言葉をみんなが使う、
そしてみんなそれぞれが違うだろ?
「愛してる!」と言はれても
みんな、おなじではない。
「I love you」]なのか 
「愛、知ってる?」 なのか。
芝居のセリフが役者によってまるで違う雰囲気になる。

それを言いたいんだ。 
「俺、頑張ります」とメールを送ってくれた
臨床実習のその方へお礼を言います。 
”ありがとう”
あなたは、いいお医者さまになるでしょう。

「重病患者ほど、”頑張れ”が苦痛のはず」  
と言ってるあなたの気持ちは
「頑張れ」と言う言葉で、
充分患者に心からの激励と通じるでしょう。 
ガンジーはマニュアルどおりの「頑張れ」が厭なんだ。
泳げない体操教師の講義のように、机上で作り上げた、
そらぞらしい言葉を使う看護婦たちの「頑張れ」は
悪寒と怒りが走るだけです。

「そんな自分の思い遣りのなさを
すごく恥ずかしくおもいました」
とのメールを受け取り 
 ”これはシマッタ” と思い
ここに補足できた事を重ねてお礼申し上げます。
言葉や文字が何%、人の心に伝わるか、わかりませんが、
手紙や電話でも、心からのものは伝わるでしょう。 
言外に匂う誠意の香りです。
まして対面での会話なら、
演技でなければ必ず患者の心をうちます。

今日は、親戚新聞の「拡大版」みたいなものに
なってしまいましたが
あなたのようなご意見もあることと思い、
紙上を使って間接メールをお届けする次第です。

お名前が出ていませんでしたが、
ガンジーの 「人物辞典」 の、
”いい人欄” へ記録させてもらいます。
頑張っていいお医者さまになっていただき、
私もお世話になりたぁ〜い!
と思っているガンジーです。

糸井さん、転送ありがとうございました。

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ガンジーさん、見えない「人物事典」を
持っていたんですね。
ぼくも、持ってますぜ。
ただ、ぼくの「人物事典」は、
悪い人欄が、少なくてさぁ。
つまり、そういう人と会わないようにしているので。
これ、ずるい方法だけれど、
人生、そんなに長くないので、
ろくでもない人にわずらわされているくらいなら、
他にやりたいことをやっていたほうがいいと思いまして。
1000年くらい生きるなら、イヤな人とつきあう時間も、
大事になってくるんでしょうけど、
短い人生、イヤなことなんて、薬味程度でいいやねー。

(つづく)

2001-03-19-MON

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