ガンジーさん。
いつ途切れるかわかりませんが
今後ともよろしく。

207.ことばの使いかた。

ぼくの想像にしかすぎないのだけれど、
メールというものが登場して、
いままで文章を書くことを嫌がっていた人たちが、
ごく自然に、しゃべるように文章を書くようになった。
たぶん、だけど、ガンジーさんにしたって、
数年前には、まさかこれほどたくさんの文章を書くとは
思っていなかったことだろう。

ケイタイのメール機能を、どうもぼくがあんまり
好きでない理由のひとつは、
せっかく、パソコンのメールで、
みんなが自分のことばで何かを表現することを
身に付けはじめたのに、
短い「用件のみのことば」に
もどっちゃうような気がするからだ。

さて、ガンジーさんの考えなどを聞いてみよう。

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「文法が知りたい」

よく言い習わされた言葉に、
「それにつけても金の欲しさよ」 と、
「ものは考えようで...」 と言うのがあるよね。
いろんな場面に当てはまる都合のいい言葉だ。 
お金の方は落語で使われてるのかな? 
言葉そのものより、心情としてピッタリだね。

ものは考えようで...というのは弁解にも使えるし、
偉そう言葉の好きな人にもてはやされる便利物だね。 
「つまり、そのぅ...」 の後に続く。
なんとかごまかそうとしてるんだ。 
便利でずるい言葉だよ。

平易でよくわかる言葉がいちばんいい。
「人を見て法を説け」 
「気をつけて卵を解け」
って言うけれど..(後者はガンジー作、念の為)..
わかり易いに越した事はない。
わかりにくい町に越してはいけない。 

「限りなく100%に近い」なんて事を
マジメくさって言ってるヤツがいたよ。
病院でも「嘔吐感があります」
なんて言ってる患者がいたぜ。
吐き気でいいじゃねぇか。
いずれも話し言葉ではないように思う。 
これらは文語体のはずだ。
しかも「おうとかん」が正しいのに
「おうど」と濁点をつけてるお馬鹿さんだった。
聞き間違いじゃないってば!
難かしい言葉を使って、
「俺は物知り、頭がいい」と暗に自慢したいんだね。
”話したいのが自慢話、聞きたくないのが自慢話” 
(条例第8号、うそ800項)

知らない事は知らないと言ったほうがいい、
相手が誰だって教えてもらおう。
背伸びしてると、どっかでボロがでちゃうんだなぁ。
このボロは捨てたほうがいいけれど、
信用、信頼、尊敬、友情、などが
ボロと一緒に家出しちゃう。 
それが惜しい。 
「知るはいっときの恥、知らぬは末代までの損」 
っていうもんね。
「そんな事、知らないのか?」 
と軽蔑されたってかまやしない、
むしろ軽蔑するヤツが軽蔑されるべきだ。 
近未来、逆転必至!

ガンジーメールを頂く中に、
「なんて言ったらいいのかな? う〜ん..」  
なんて悩んでいる様子がよくわかる読者が結構多い。 
自分の言葉を探そうと頑張ってる感じがよく出てるんだ。
想像しても、その仕草が可愛いし、
先が楽しみな人たちだ。 
難産の子は良く育つ、っていうからね。
言葉や文字は一生使うものだし、
人格まで知られてしまう大事で恐い存在だよね。
知ったかぶり、はやめよう。 
そのかわりテンガロンハットをかぶろう。

言うまでもない事だけれど、
上記の意見だってガンジーの独断だから
間違ってたら教えてください。 
なにしろ喉がかわいてるもんで。

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難産の子はよく育つ。
これは、まさしく、ことばにも言えることだよねぇ。
上手だと思い込んでることばの使い手を、
いままでことばに不自由だった人々が、
どんどん追い抜いていくというのが、ぼくの夢だ。

(つづく)

2001-03-20-TUE

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