ガンジーさん。
いつ途切れるかわかりませんが
今後ともよろしく。

217.そして、また内に。

外に出ようと、「ほぼ日」も盛んに言っていたし、
ガンジーさんも言っていた。
同じ口から、こんどは「内に」と言う。

言ったことがちがうじゃないかと、
怒る人は怒るかもしれない。
でも、そうじゃないんだ。
両方、ほんとに思っていることなんだ。

まぁ、読んでみてください。
外と内とで、ひとつなんだよね。

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「♪〜福は 内〜」

去年の秋、柿の葉っぱが枝から落ちるのを見ながら
絶望と貧乏を痛感してた。
その柿の21世紀の若芽が細い枝の中で、
モジモジしてる事だろう。
あの葉っぱたちにまた会える! 
柔らかい若葉、天婦羅にして食いたい。

「サクラ サク」と自らに電報を打ちたくなる気分だ。

秋が過ぎ、冬が2両目に続き、
また春が繋がってやってきた。
4両編成の四季、結構な日本の1年。
60数年の生涯で、今回ほど時の移ろいを、
しみじみ感じたことはなかった。

年をかさねるほどに、我が身の緩慢動作に老いを感じ、
静なるものに心が向く。
盆栽など、育てることに興味が移り、
自然界の不思議に思いを馳せ、
坐っていても森羅万象が頭ん中の画面に映る。
仙人ガンジーじゃ!

蝉だって今ごろは夏へ向けて
旅立ちのトレーニングを始めたにちがいない。
7年もの永いあいだ、地下で家族や仲間たちと、
飲めや唄えの生活をしてきたことだろう。 
生涯のしめくくりの準備にかかってるよ、きっと。
空の星もミールの落下を見て、
「そろそろ俺も流れ星になって、
あの子と結婚、世帯をもとう」  
と考えているかも。

大阪まで、わざわざ書道展を見に行ったという女性から、メールをもらった。
「外ばかり向いていた私の心...
内側を見つめることにした」とあった。
いいことだね。 
見てみたら穴が開いてたりして。
その人は今頃ミシンを踏んでるだろう。
大きな足でミシミシと。

心を見つめるにはお金もかからないしね。
科学の進歩、レジャーの多様化、で
外へ外へと忙しい毎日だけど、
1日に昼と夜があるように
心の内側にも目を向けたほうがいい。 
さもないと心だって、ひがんで、ひねくれちゃうから。
ひねくれた心は、金くれた人のところへ逃げる。 
援助交際、求む!ってさ。
心に逃げられた人はどうすりゃいい? 
「心逃(頭)を滅却すれば、火(日)もまた涼し」
と悟れるかな。

年寄りだから、というのではなく
諸君も時には静かに考えよう。
テーマを決めずに心の虫干しをし、
裏返しにしてよく観察しようや。
「座禅」は「The 善!」だ。

アクシデントに遭遇してから世の中の見方が変わった、
とはよく聞く言葉、
こうなる前にわかっていたら、
ガンジーもさらに楽しい時を過ごせただろうと思い、
とても口惜しい。 
人生航海を後悔してる。 
だから諸君にその事を公開する。 
もって反面教師の講義とする次第。


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『米米クラブ』のカールスモーキー石井さん、
こと、石井達也さんが、
この「ガンジーさん」の愛読者だということがわかった。
今回のなんか、彼、相当好きだと思うなぁ。

 秋が過ぎ、冬が2両目に続き、
 また春が繋がってやってきた。
 4両編成の四季、結構な日本の1年。
 60数年の生涯で、今回ほど時の移ろいを、
 しみじみ感じたことはなかった。

この気持ち、少し、感染しますよねぇ。

(つづく)

2001-03-30-FRI

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