ガンジーさん。 いつ途切れるかわかりませんが 今後ともよろしく。 |
224.古い映画のような。 また、ガンジーさん若かりしころの追憶ですよ。 ぼくは、これ、好きなんですよ。 何が変わって、何が変わらないか、 そういうことがごく自然に見えてきて、 いまを見つめる目が、新しくなる。 いわゆる郷愁だけじゃないんですよ、このあたりの話。 ___________________________ 「ムカシ again 」 またまたムカシのことだけど、 後楽園と、三田、新宿に アイススケート場があった。 後楽園は早稲田の学生が多く ホッケーの練習にも使っていた。 三田は慶応、新宿は おのぼりさん、と住み分けていたんだ。 ガールハントには事欠かない場所だったね。 球技のからきしダメなガンジーだが、 スケートは得意でリンクの注目を浴びてた? と自惚れている。 諸君にも経験があると思うが、 飛行機に乗ればスチュワーデス、 登山すればガイド、 スキーやスキューバダイビング、テニスに行けば インストラクター、と その場面での熟練者に畏敬の念とか、 時にはかすかな恋心をいだくもんだろ? ん? そんなことない! そりゃマジメすぎるよ。 心だけの浮気よ、プラトニック.ラブだ。 浮気ホルモンがほんのチベット、 違う!チビット、エンピツ、じゃねぇ分泌するだけ。 大袈裟に考えるなって。 だからガンジーもすこしはモテたよ。 得意になって、手摺りに掴まってるゴッツイ大男なんかに 急制動で氷水のシャワーを浴びせたもんだ。 氷上なら捕まる心配はない。 映画館でもそうだったが 度々出かけてると従業員と仲良くなり、 ゛木戸御免” となる。 これは有り難いよ。無料だもんね。 後楽園でもその手で入れた。時々は氷上掃除も手伝ってさ。 あまり大きな声じゃいえないコソ泥まがいの行為だけど。 懺悔します! 映画館の場合は切符売り場か「もぎり嬢」を狙う。 上野松坂屋が松坂シネマを経営してたが(今の新館) そこの売り場嬢とも仲良くなってよく通った。 今でも好きな ”雨に唄えば” なんか 何度も何度も観たなぁ。 デビィ レイノルズ、ドナルド オコナー、 そしてジーン ケリー。 タップダンスに憧れていたあの頃、 何にでもすぐ染まってしまうガンジー。 あの時の売り場嬢さま、どこかで このほぼ日を見てたらメールください、 きれいなあなただったから、 今でも美しく華麗に加齢されてることでしょう。 フイルム運びのバイカー(自転車乗り)とも仲良くなって 上野や日比谷の映画館にも入った事がある。 貴重なフイルムを 各映画館がぐるぐるたらい廻しで使ってたんだ。 図々しいガンジーはそのマジメそうな顔を駆使して、 浅草を荒らしまくった。 浅草には木戸御免などおおらかな雰囲気があった。 若く可愛いかったガンジーは 呼び込みのおじさんたちに愛された。 パチンコを初めてやったのも浅草、 真ん中へ入ると出玉は10個、天地が5個、 左右が2個だったかな? 左手に数個の玉を握りしめ右手でレバーを弾く、 景品はキャラメル、チョコレート、 タバコ、タオル、石鹸、缶詰など。 御徒町でよその店の玉をうっかり使い、 アメ横にある摩利支天の境内で7,8人の 用心棒にゲンコツ戴いた事もあった。 当時は多勢いても寄ってたかって殴る蹴る ということはしなかった。 1対1のフェア−プレー。 後の連中は陪審員、悪いのはガンジーだから 手出しはしない。 だから数10秒で、”お開き” 連中肩をゆすって戻っていった。 ガンジー、不良ともいえるが、ならず者ではなかったよ。 いつも一人、今も一人が好きなガンジーだ。 戌年だからって一匹狼を気取るわけじゃないけど 一人ぼっちが好きなんだ。 B型のせいかな? 当時、渋谷は田舎だった。 西武の創業者、堤康次郎と 東急の創業者、五島慶太が 華々しい喧嘩を繰り広げていたからね。 彼らが死んで、西武百貨店の2代目、清二が 渋谷に出店してから渋谷の時代が到来した。 それ以前は三船敏郎が飲み屋で喧嘩、 猟銃を持ち出そうとしてカミさんに止められた。 と新聞報道があったのもこの渋谷だった。 黒澤明の「酔いどれ天使」がヒットし 三船が有名になり始めた頃だった。 去年10月、道玄坂を歩いてたら 若者が、「百軒店(ひゃっけんてん)」っていってた。 「百軒店(ひゃっけんだな)」もなくなってしまったのか。淋しい。 ムカシ、蜂が飛んでたハチ公前、 今の彼も淋しそうだったな。散歩も出来ないしね。 ___________________________ まじめそうな顔を利用して、って、 若いときからやってきたんですね。 うまいなぁ。そういうの。 ぼくは、不まじめそうな顔で、 小さいころから、よくインネンをつけられたり、 人まちがいで脅かされたりしていましたよ。 『人を、小バカにしてるような』やつだったらしい。 ま、ほんとにそうだからしょうがないんだけどね。 (つづく) |
2001-04-06-FRI
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