ガンジーさん。
いつ途切れるかわかりませんが
今後ともよろしく。

244.安物の言葉。

おお、痛いことを。

世の中に流通しているほとんどの言葉は、
そんなに「高い言葉」じゃないわけで。
それは、最高級品ばかりが商品として
世間に流通しているわけじゃないって事実にも似ている。

お仕着せ、ありきたりが、ほとんどなんだけれど、
そうでない「いいもの」が欲しくなるように、
言葉についても、「こんなのいらなーい」と、
叫びたくなることもあるわけだよね。
言葉を使って、言葉について語るってのは、
なかなかつらいものだけれど、
ガンジーさん、もう、語りだしちゃったぞー。

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「寡黙と饒舌」

政治家が好んで使う「遺憾です」など、
あやふやな言葉が闊歩してる。
「...と言えば嘘になる」 
「...と言えなくもない」 
などじれったくなるぜ。
話してる人はカッコイイとでも思ってるのかなぁ。

文章やセリフは短い方がいいと思うんだけどね。 
それもあまり使われてない言葉ならいいが
これらはしょっちゅう聞く言葉だ。
100円ショップの言葉だ。
100円ショップってところは 
”ゴミ販売所”だとガンジーは思ってる。
消耗品はともかく道具は納得出きる物を買うべきだ。 
安物は使える期間を考えると
ずいぶん高い買い物になるぞ。

貧乏だからいい物を買い永く使う、
貧乏だから保険に入り不時の出費に備える。
違うだろうか? 

言葉の場合にも「安物」はある。 
他人の受け売りセリフだ。 
みんなが競って使ってるうちに
「紋切り型」として定着する。
量産により値が下がる。
上記のじれったいセリフもそうなりつつあるようだ。
結婚式の「本日はお日柄もよく...」
というヤツのように。
こんなありふれた言葉は誰も聞いちゃいない。
それでも喋っている方はあがってしまって
気の毒なくらいに見える人もいるよね。 
童貞お婿さんのお床入りみたいにさ。

みんなが注目してると思うから、
よどみなく話さなくっちゃ、何か言わなくっちゃ、と焦る、
だからなおさら詰まってしまう、
こんな時はただ黙って ”にっこり” することだね。
”男は黙ってサッポロビール” ってCMがあったけど。 
参列客のほとんどは、
喋ってる言葉を聞いてるんじゃないんだ。
どんな人かな?って顔を見たいだけ。
だからスマイルをご披露しょう。
そして、充分な間、をとって一言、
「ありがとう」 とだけ言おう。
そしたまた ”にっこり” 
それだけで充分、おおいにうけるよ。
挨拶が早く終わってくれたことを喜んでいるんだ。

だんだん馴れてきて自信がついたら
紋切り型を少しアレンジしょう。
安物言葉に付加価値をつけるんだ、例えば 
「本日はお日柄も良く、ご列席のみなさまのお顔も
ひときわシャンデリアに映えております....」 
頭の薄い人には申し訳ないがね。
そのほか
「本日はお日柄も良くご来場の皆様の方が
結婚式を挙げられてるようでございます。
なかには ”私ももう一度..” なんて
不届き至極なお顔もチラホラお見受けできますが...」
とか 
「....またお集まりくださった皆々様は
いつもこんなにいいお顔をしておられるのか?と
一瞬、考え込んでしまいたくなるワタクシでございます」 
なんてのどう?

「人寄せパンダ」と言った田中角栄のこのセリフには
著作権を与えたいくらいだね。
言葉に著作権ってあるのかな? 

おたまじゃくしの配列で音楽が出来、
文字の組み立て方で文章が生まれる。
その数は無限大、それじゃ
我々も自分の言葉、自分の文章を作ろうじゃないか。
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うん。
要は、自分のことばを持ちたいぜ、ってことだね。
だけど、自分のことばを持つには、
自分の生き方がなきゃうまく出てこないしねぇ。

ことばは、すべて。
・・・に近いくらいの、すっごいものなんだよなぁ。

(つづく)

2001-04-26-THU

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