ガンジーさん。 いつ途切れるかわかりませんが 今後ともよろしく。 |
255.特に、親戚に。 『the親戚新聞』は、毎日「ほぼ日」への転載を 前提としたつくられ方をしてきましたが、 今日の号は、特に、原点の 「身内に宛てた」かたちになっています。 ぼくらは、他所の家庭に居候しているような感じで、 ガンジーさんの話を、聞きましょうか。 ___________________________ 「息子へ」 今日は、うちうちの会話を披露しちゃいます。 起久へ(たつひさ)、「きのうは有り難う、 敬之(たかゆき)の運動会のビデオで タスデ美の笑い転げる様を見てガンジーも嬉しいかぎりだ。 笑う事は健康にいい。 心配性の彼女にとって、いい一日だった。 ガンジーにとってもタスデ美の 後更年期戦争にまきこまれずに済む。 めずらしく朋姫もいたのでおおいに楽しめたよ。 「新しい部門での仕事の内容も聞けたし、 学生時代の友達の近況も聞けたしで嬉しかった」 いい友達は大事にしょう。金銭に換えがたい宝物だ。 子どもとおなじで造ろうと思っても 出来るもんじゃない。 いい友達が出来たのはお前が彼らにとっても やはり、いい友達と認められたからだ。 だから交友が続いてる。 その事がさらに素晴らしい事なんだね。 頻繁に会ってなくても いつも心のどこかにデンと構えている存在、 それが親友だと思う」(イトイ談) 「その親友でも場合によっては お前を裏切らないとは言えない。 こんな言い方は避けたいが 現実には起こり得る事なんだ。 誰でも自分とその家族が可愛いから 切羽詰まれば無二の親友でも 犠牲にしかねない事件だって起こるのが人生だ」 「その時お前はどう対処するか、それが大事なんだねぇ。 ガンジーにもわからない。 わからないけれどもわずかながらアドバイスしたいのは、 感情ではなく理性で解決して欲しいと考える。 結婚した時とおなじ気持ちでね。 打算と人は言うかもしれないが そう思われてもいいんだ。 友達を大事にしたいならね。 お前も銀行で仕事をしてるからわかり易いだろうが、 潰れる会社に金を貸すような事はしまい。 世話になった恩顧ある客に対しても 貸出しを拒絶しなければなるまい。 個人の関係でもそうだと思う。 お前にも家族があるし友だちにも最愛の家族がいる。 涙をのんで説明し彼の奮起をうながさなければなるまい」 「その間、気まずい絶交状態が続いてもやむを得ぬ事、 そしてその事で親友の間柄が解消されても仕方ない事。 人の気持ちは変わるもの、と心しておくことだね」 人生は捨てる事だ、と言った人がいる。 同感だね、真実を訴えてもわからない人を、 「わからん人」という。 そういう人は後進国の人だ。 いつかは先進国入りするかもしれない。 それを期待しよう。 昔馴染み旧友、ということで安易に援助し 共倒れになった例を数々見てきた。 ガンジー自身一度だけだが経験がある。 Fというその友達は今、この世にいない。 保証人という責任があったわけではないが 彼の取引先に義理があり、紹介したのはガンジーだからだ。 いわば道義的責任だね。 タスデ美は忘れてるかもしれない。 「日に新たにして、日々に新たなり」とは 他人の気持ちについても言える事だ。 時にはクールに付き合おう。 朋姫にも言いたい。 いつも書いてる事だが、結婚相手は理性で決めよ、だね。 夢中になってからでは脱出できなくなる。 普段からの心がけ、雑巾がけが大事なんでーす! 心も床もぴっかぴかに磨いとこう。 変なヤツがきたらスッテンコロリンと転ばしちゃおぅ。 すかさずあそこを確かめよう。 大き過ぎてもよくない。 大きいからって大物と思うな。 世に小男のオオマラという諺がある。 感情におぼれず勘定に目覚めよう。 そんな事わかってらぁ、と思ってても 口には出さないお前たちだ。 諸君の方がガンジーよりはるかに優れている、 それはそれで嬉しい事だが、 それでも話しておきたい親バカよ。 おなじ事でも、いつ誰から聞いたかによって インプットされる確率が違う。 これは「ソーダ―がない!」と納得する言葉だ。 “そうだねぇ” ___________________________ 『the親戚新聞』にときおり顔を出す、 ガンジー流合理主義、というものが、 もしかしたら若い読者には気に障るかも、知れません。 反対意見があるのは、それでそれでいいと、 ガンジーさんも、よく言っていますよね。 『感情』というものを、どういうふうに考えるか。 これは、なかなか難しい。 きっと、ガンジーさん個人の、 「感情との戦い」や、「感情との共闘失敗」が、 いまのガンジー流をつくりだしてきたのだと思います。 ぼく自身は、ほとんどガンジーさんに賛成しつつ、 「感情」に動かされることの素晴らしさみたいなものに、 あらためて関心があります。 (つづく) |
2001-05-07-MON
戻る |