ガンジーさん。 いつ途切れるかわかりませんが 今後ともよろしく。 |
309.ラストダンスはあなたと。 ガンジーさんは、料理がしたくてたまらない。 だけど、ガンジー家では 『男子厨房に入らず』の不文律があるらしい。 いや、男子のほうは入りたいんだけれど、 厨房管理委員会のタスデ美夫人が、禁止しているらしい。 なんか、他人が聞いたらよくわからない話なんだけれど、 この家の法律なんだろうね。 おもしろいものだねぇ、いろいろあるんだな。 ___________________________ 「オニのいない日」 今日はね、タスデ美がお出かけなんだ。 お友達と豆腐料理を食べに行くそうだ。 うれしいね、いやガンジーがさ。 「男子厨房に入る」というわけ。 オリジナル料理をつくるぞう! ただ気をつけなければならないのは 洗い物はもちろんだが 鍋、フライパン、調味料の類を 寸ぶんたがわぬ位置に戻しておかねばならない事だ。 お皿なんか裏表隅から隅まで。 まるで「姑の嫁いびり」さかい引越しセンターだぜ。 こいつを間違えると 水の表面だけの「さざなみ喧嘩」ですまなくなり ディープファイテングになってしまうんだ。 何しろキレイ好きだから 置いた角度まで同じじゃないと怒る。 分度器を使いたいくらいだよ。 事務所改造より台所をもう一つ欲しいなぁ。 でもキレイ好きなところがよくて結婚したんだから 文句は言えない。 潔癖の症状はさらに進んでるけどさ。 ムカシ昔、タスデ美ともうひとり、どっちにしょうか、 大黒さまの言うとうり、なんて悩んだけど 最後はタスデ美の清潔さにひかれたもんな。 洗濯好き掃除好きにカブトを脱いだ40年前の出来事だ。 洗濯をセンタクしたわけ。 ガンジー夫婦の不文律は、 ラストダンスだけは二人で踊ろう、という事だけ。 それ以外ならどんどん楽しむべし。 これはタスデ美が雰囲気に流されない人だから 信用できるんだ。 女にはめずらしいタイプだと思う。 それだけにはっきりものを言う人だ。 そしてお世辞嫌い、どんなに上手にお世辞を言っても 機嫌がわるくなる。 疑い深いという事だね、悪く言えば素直じゃない。 だからガンジーが心広やかに接しても 彼女の方はおなじように対応してくれない。 まるで世界3大悲劇の「オセロ」みたいにね。 ん?そういえばデスデモーナとタスデ美、 少し似てる発音だ。 立場が逆だけどさ。 あれはオセロのほうがヤキモチをやいたんだったよね。 オートバイやパソコンにまで嫉妬するのはどういう了見だ! 糸井さんがそれはこれこれだ、と 女の心理を説明してくれたけど忘れちゃった! ガンジーはいつだって タスデ美のご発言に耳をたてているんだぜ。 独り言の多い彼女なんでいい加減に相槌をうってると 「聞いてんのっ!」とミサイルが飛んでくる。 ま、今日はこころゆくまで楽しんでくるんだね。 深夜のお帰りでもいいよ。 そなたは理解のあるダンナさまを持って幸せだよ。 だからお小遣いの方も、 もうちょっと増やしてくださいませ。 おっと貴重な時間だ厨房へ急ごう、イソイソ.....♪ ガンジー ___________________________ 『ラストダンスだけは二人で踊ろう』だって。 「だけは」ってところに重みがあるのかないのかは、 本人たちお二人にしかわからない秘密でしょうねぇ。 でも、いいよねー。 ラストダンスだけは二人で踊ろうって。 (つづく) |
2001-07-03-TUE
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