ガンジーさん。
いつ途切れるかわかりませんが
今後ともよろしく。

332.二匹の蟹の穴。

昨日のクイズは、たくさんの『回答』が届いたよ。
だけど、正解を、まだガンジーさんに聞いてないんだ。
ほんとに、なんだったんだろう?

それはそれとして、
今日の『the親戚新聞』は、しみじみするよー。
最近、水泳に凝ってるらしいガンジーさんだけど、
水に乗ってるって感じだ。

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「現状満足」

今が一番イイときだね、と
独り言のようにタスデ美に話しかけて
日々を過ごして来たけど、今でもおなじ考えだよ。
60代半ばの癌なんて大したことじゃない。
若きゃまた別だろうけど。

今が一番幸せ、と考え始めたのは
前の商売の終戦処理が終わって
長男が就職したころからだったかな?
それ以前は目先の事に追われていて
まったく気持ちの余裕がなかった。
そしてその頃から「蟹は甲羅に似せて穴を掘る」
という格言を、なるほどと思えるようになった。
それまでは「そうカニ?」って疑ってた。

向上心や夢は大事なことだが
それと同時にしっかりした基礎を作り上げる事が
もっと大切だと気づいたからだ。
甲羅が出来あがってしまってから
大きな穴を掘っても無駄なエネルギーの消耗どころか
周りからたちまちのうちに崩れてしまい
身動きがとれなくなる。

倒産の経験から学んだ事のひとつだった。
それ以来仕事を広げる気はなくなった。
基礎が軟弱なのに大きな建物は建たない。
他人に迷惑もそうだが
己の人生をもっと楽しみながらおくろうときめた。
再び基礎から作りなおす道もあるが
元気が行方不明になってたからね。

タスデ美にこれ以上の苦労を強いるわけにもいかない。
と言うのも言い訳がましい敗者の言葉ではありますね。
そして、今が一番、という気持ちに到った次第。
けっして人生をあきらめの気持ちで送ろう
なんて考えではない。

それまでガンジーは、
「俺がやる、お前はだまっとれ!」と何かにつけて
協力してくれてたタスデ美を仕事から遠ざけた。
その反省から、
そうだ!蟹は俺一匹じゃないんだ、
2匹の蟹ならもっと大きな穴を掘れる、と気がついたわけ。
夫婦はやっぱりフーフーいいながら熱い味噌汁を
すするべきだと悟ったのだ、どうだ偉いだろう!
何?偉そうなこと言ってたくせに
負け惜しみを言うな!ってか。
くぅ〜!遺体を突つくな、じゃない痛いとこ突くなって。

半生を過ぎて反省してるんだよ。
大目にみろって、親戚だろ?
反面教師でも当面教師(?)でも教師だぁな。
今日(は)師なんだ。

夢は自分の享楽のためだけでは実現しない。
松下幸ちゃんが
母親に楽をさせたくて作った洗濯機だからこそ
今の大松下がある。
ガンジーの命を救ってくれたからこそ
ほぼ日の未来は前途洋々、限りない夢が広がる。

「情けは人の為ならず」
夢もまた他人の為にあってこそ実現の可能性がある。
そして私生活においては
日々満足の気持ちを忘れるでないぞ!
うむ、お説教をたれるのってエエ気持ちやなぁ。

ガンジー

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「二匹の蟹」、いいでしょ。

また、
「自分の享楽のためだけじゃ夢は実現しない」ってことも、
よくわかるなぁ。
ほんとにそうなんだよなぁ。
『誰が、お前だけのためになんか手伝うもんか』と、
言いたくなっちゃうもんねぇ。


(つづく)

ガンジーさんへの激励や感想などは、
メールの表題に「ガンジーさんへ」と書いて、
postman@1101.comに送ってください。
全部とどけられるとはかぎりませんが。

2001-07-26-THU

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