357.かたち。
ガンジーさんは、よく字をほめられるらしい。
それはなぜか、と、自己分析。
つまりは、『読む相手の身になって』書く、
ということが大事なんじゃないかという結論に。
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「カッコウと中身」
親戚や知人から、字が上手ですね、とよくいわれる。
ガンジーはちっともそうは思わない。
その証拠に行書、草書なんかお手上げだ。
それなのに上手だといってくれるのは
楷書でていねいに書いてるからだと思う。
ホントは、キレイな字だね、といってくれると
嬉しいんだけどね。
この読みやすい字というのは得することが多い。
自分の言葉で書くせいもあってか
頭がいいようにみえるらしい。
買かぶられているわけだけど、
せっかくだからむきになって弁解なんかしないでいる。
勝手に思ってろ!
ムカシは読み書きソロバンといってたから
字をキレイに書いてると
その他のことまでよくみえるらしい。
人格までが過大評価されちまう。
エンピツのように腹ぐろいガンジーが
まるで別人におきかえられちゃってるもんね。
以来どんな田舎でもたち小便はしなくなった。
あぁ、麻呂はきゅうくつじゃ!
書き方でむずかしいのはひらがな、だね。
こいつをこなせれば漢字なんてへのかっぱだとおもうけど、
如何でしょうか書道の先生方?
ならったことないのでガンジーの勝手な推測ですが。
取引先などから好評だったのは
封書をなるべくやめてハガキにしてたこと。
これ読みやすいからね、いそがしい人向きだ。
ハガキに宛名も本文も横書きにしてたから
行書なんか書けない。
カッコつけて
のばしたりちじめたりしなくてすむので
その分いっぱい書けるよ。
秘密文書でなければ経済的でもある。
万年筆のムカシとちがって
ボールペンは油性なので宮沢賢治だ(雨にも負けず)。
話し上手は聞き上手、というけど手紙でもいえることだ。
相手の読みやすいように
文章も短くわかりやすく書くことが大切。
これさえまもっていれば顧客の評判はいい。
結婚式のあいさつでもそうだが
紋切り型くらい味気ないものはない。
秘書の書いた原稿はどんなに立派でも
聞いてるほうはしらける。
話すのではなく読み上げているんだから当たり前だよね。
ばんやむをえずご挨拶の窮地に立たされたら、
自分の言葉で話そう。
あがってしまってたら正直に会場で白状しよう。
ガンジーの経験では、忘れてしまいました!
と言ったのが一番うけたよ。
立場をかえてみよ、とはよくいわれることだが
相手のことを考えると
短くてわかりやすいのがベストだろう。
字のうまさをひけらかすような年賀状の類は
お習字練習中の人以外には面白くもなんともない。
自分の言葉で書く文章はまだいいが
手紙本の丸写しなんかいただけませんね。
お知らせのようなものは別として
受け取った方は時間の無駄だ、と
読んでなんかくれない。
かわいそうなのは切手やハガキ、
せっかく喜び勇んで出かけたのに
そのままゴミ箱行きとはね。
読みやすいようにとていねいに書いてるうちに
格好がついてきたんだろうね。
でもお習字の達人に褒められるのら嬉しいいが、
わかりにくいくずし字なんか書いてくる人に
ほめられたって、へそ曲がりのガンジーは
お前に字の上手下手がわかんのか?
と毒ずいてやりたくなる。
ほら、達人は達人を知る、っていうじゃん。
ガンジー
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送るときには、受け手の側からの視点で。
これって、あらゆるコミュニケーションの基本だけど、
ほとんどが、
『送るときには、送り手の視点のまま』ですよね。
気をつけようぜ、みんな。
(つづく)
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