368.トホホ。
ガンジーさんの文章の、まとめの部分で、
「トホホ」で終わることがある。
そういうときは、文章の前半、中盤では、
たいていは、誰かに大声で噛みついていることが多い。
しかも、「トホホ」の直前では、
ほとんど例外なしに、
『妻がワタシに冷たい』というような内容である。
・・・この法則、気付いている読者も多いのではないか。
今回も、そのパターンですね。
八つ当たりされた方々にはお気の毒ですが、
どうぞ、お手柔らかに。
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「世話をやく」
親切のなかにも大きな思いやりと
小さな思いやりがあるとおもうぜ。
小さな思いやりとは日本人の得意な
口先だけの親切ぶりだ。
たとえば中央線の駅のアナウンス。
お足元が広く開いておりますのでご注意ください、
というあれ。
飯田橋駅なんか
子どもがすっぽり落ち込んでしまうホームのすきまだ。
そしてサービス業のほとんど、デパートや航空会社の、
本日は○○をご利用いただきまして
誠にありがとうございます、もそう。
これらは女性的サービスといえる。
男性的サービスとは口先で言うより抜本的対策をとること。
安全とか質のよいサービスを提供することだろう。
お店でも帰りの客に、またどうぞ、というやつ。
来ようと来まいと大きなお世話だい!
そんなことよりもっといい物をやすく食わせろ!ってんだ。
そうすりゃ客のほうで、また来るよ、と言いたくなる。
客をおくりだすときはこう言え。
今日はいつもより多く
きこしめしていらっしゃるようですので
どうぞお気をつけてお帰りくださいまし、ってね。
美人女将に言われてみろい、あそこがしびれちまわぁ!
フグ料理でなくったってさ。
この小さな思いやりは外部の人には効果的だ。
なにしろこういうことにわれわれは馴れている。
リップサービス以外の本物サービスでもね。
駅でベビーカーを押してやるとか席をゆずるなど。
でもホームで電車が来た時後ろから押しちゃいけないよ。
では大きな思いやりとはどんなことだろう?
それは身内、身近な人に対してだけ行うこと、
親子、親友間、教師と教え子なんかだね。
たとえば子育て、シツケをしっかりやろう。
いじめ、と見られやしないだろうか、なんて考えるな。
あとで苦労するのは見物人じゃない、親なのだから。
友達には、お前もわるい!と意見しちゃおう。
センセはもっと生徒をひっぱたけ!
家庭内では年老いた両親をベッドへ突き飛ばそう。
なまじバリァ、フリーなんてものに改築すると
あとが大変だぜ。
中途半端で生かされてる年寄りこそあわれだよ。
一気にあの世へいけるものを
薬漬けにされてさ地獄へのリハーサルまでさせられちゃう。
マスコミの言ってることは薬屋から袖の下をもらって、
寝たきり、をつくることなんだ。
これらを大きな思いやりという。
タスデ美は大きな思いやりの持ち主だ。
食事の世話なんてやったって
素直に食うガンジーではないことをよく知っている。
だから勝手にせい!って放っておく。
そして保険など重要なことだけは
しっかり調べぬかりはない。
イヌ、ネコに対してもそうだ。
ベタベタと可愛がらない。
でもいざ具合が悪くなれば
さっさと獣医のとこへ連れていく。
そのために普段の浪費をおさえてるんだ。
まったくガンジーより背はひくいけど見上げたおんなだぜ。
だから子どもたちも立派でさ。
ほぼ日一周年だっつうのにだれからもメールがこない。
これこそ大きな思いやりだぜ。
トホホ...
ガンジー
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女性的サービスと男性的サービスという分類は、
いまじゃ、逆なんじゃないかとも言えるよね。
だいたい男性って、
『口先で言うより抜本的対策をとる』人々ばかりじゃない。
ちがいますか? 女性の、そして男性読者のみなさま。
(つづく)
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