383.振り返ってみれば。
『the 親戚新聞』を軸にして、
それに多少の編集を加えたものが、
この『ガンジーさん』というページです。
ごぞんじでしょうが、
『the 親戚新聞』とは、ガンジーさんが、
息子や娘たちに伝えておきたいことを書く、
小さなメールマガジンだったわけです。
読者は、後ではいったぼくを含めても5人。
ずっとそのままです。
今日は、ここ1年ちょっとのことを、
めずらしくも、ガンジーさんが振り返っています。
___________________________
「秋らしくものおもい」
東京プリンスホテルで
窓外の東京タワーを見ながら考えてた。
生理的気分はわるいが精神面では冴えている。
これまでのいきさつをなぞって
あらためてその思いをたしかめてみた。そして思った。
糸井さんって凄いひとだなぁ、と。
文章なんてもの書いたことのないこのおれがだぜ、
1年間も休まずものを書いてきたんだ、おどろいてくれよ。
仕事のための営業日誌でも
いってみればスケジュール表みたいなもんだ。
それすら省略し
ほとんどがファックスやデンワでの
おしゃべりですませてきたこのおれだ。
面倒なことは人まかせにしてね。
死がせまったことを知り、
諸君へ何かメッセージを残しておきたい、
という思いから始めたこの親戚新聞、
どんなふうに書いたらいいか、押し付けではなく伝えたい。
強制しておとなしくしたがう諸君ではない。
ガンジーの子どもたちだもんね。
反面教師として諸君はそれなりのことを
吸収してきただろうが
親父としてじかにあんなこと、こんなこと、
いいことくだらないこともいっておきたい。
30年も前に生まれてきているので少しの経験はある。
よかったと思ったことがわるい結果をうみ
バカにしながらやったことが思わぬ成果をもたらしたりして
びっくりしたこと、
人とのつきあい押し合いへし合いダマし合いして
歩いて来たはるかな道のり、
若い時の思い、歳を重ねて変ったきた考え方、
そんなことを書きたかった。
それでもどうしたら諸君にわかってもらえるのか
心配だった。
それがどうだ、縁あって糸井さんと知り合い、
ほぼ日も読んでるうちに、なるほどねぇ、と感心し
ぼちぼちと書き方をかえているうちに2ヶ月がたち、
半年が過ぎ、命のおわるのも忘れ
のめり込んでしまっている。
これってどうなってるんだ?
おれに書くことの才能なんてない。
あればとっくの昔に人生の目的がつかめたはずだ。
パーティーを途中できりあげて
部屋に引っ込んでしまったので、
朋姫からあとで聞いたことだが
クイズというか籤みたいなものがあり
該当者には30数万円が入ることになっていたが
その勝者がでない。
しかたなくジャンケンできめるべくやったところ
何度やっても糸井さんが勝ってしまったそうだ。
そこで徳光さんにたのんで
24時間TVへ寄付することにしたらしい。
糸井さんがいつもジャンケンで勝ってるとは思えない。
でも何故か不思議を感じるね。
それは多分無欲の勝利だと思う。
楽しんでもらいたい、喜んでもらいたいという
彼の思いがそんな結果をうんだのだろう。
多くを発信する者が多くを得る、という法則だね。
そのことがガンジーの場合でもいえる。
連載をはじめる時に、
何か仕事があったほうがいいんじゃないか、
収入にはならない仕事でも気休めはげみになるのでは、と
すすめられたんだ。
そのことが遠感現象、
日本語でいうとテレパシーとなって
ガンジーをみちびいてくれたんだろうと結論がでた。
糸井さんって不気味なくらい凄い人だぜ。
おんなを口説かせたらおそらく日本一だろうな。
ガンジー
___________________________
『俺は口説いてないし』と、結んでおきます。
(つづく)
|