ガンジーさん。 いつ途切れるかわかりませんが 今後ともよろしく。 |
386.幸福論。 幸福論が、求められてきている。 そう思っていたけれど、そういう時代は、 急にではなく、ゆっくりじわじわやってきている。 ガンジーさんの幸福論、 今回は、どんなに怒りに満ちた回よりも 凄みがあるぜ。 ___________________________ 「おひまなら考えてね」 幸福山への登山口はどこにあるんだろう。 有名校か、貧乏な境遇か、恵まれた才能体躯なのか、 すぐれたガイドとの出会いか、やさしい両親のもとか、 あるいは遺伝子であらかたきまってしまい その地図を手にできない人は 一生ムダな努力をすることになるのだろうか? 旅にでてみよう、見知らぬ町でたずねてみよう。 幸福山はどこですか? その人は答える。 あなたは何処からきましたか、 そこには幸福山はないんですか? そしてあなたは幸福山ってどんな山かご存知ですか? わたしはそんな哲学的な問答をするつもりはありません、 ただ幸福になりたいのです。 しかしあなたの探してる幸福山とは じつは、お金山のことではないんでしょうか? お金山ならこの先の村にありました。 隣町にもあったそうです。 でもいまは廃村で人々はみんな行方しれずです。 隣町もいちじはにぎわってましたが 今では彼らはこの町にやってきて 喜びいっぱいの生活をしています。 でも以前はこの町にもお金山に憑かれた人たちがいて あなたのように旅にでたのです。 それとこれは大事なことですからあえて言いますが、 あなたの目はセミのぬけがらのような目をしてます。 まずそれから治しましょう。 そんな目で幸福山はとうてい見つけられませんよ。 お説教されちまったぜ。 へん!おおきなお世話だい。 恋がすべて、という人もあるくらいだぜ、 おれは金がすべてだい! 恋だってお金で買えるのよ。 みずもしたたるいい男だって歳とともに容姿はおちる、 それに人の気持ちはかわるもの、 しかしお金はいつだってかがやいてるぜ。 かしこい女がどっちを選ぶかきまってんじゃねぇか。 時間だってお金で買えるよ。 使用人を使うのさ。 資産管理はもちろんのこと、 よんどころない事情の会合だって 名誉の席だけ出席して あとの義理会場は代理人でごまかしちゃう。 そしておれは好きな釣り三昧、ゴルフ三昧ってわけさ。 海外へ出かけるったってさ、 いくらファーストクラスが快適ったって 自家用機にはかなうめぇ。 盆正月の混雑時だって思い立った時すぐに出かけられる、 予約なんかいらない。 金があればむかしの王侯貴族の生活がおもいのままだ。 教祖のように人間を操作できる。 まことにけっこうなのがお金でござるて。 不老長寿だってすぐれた科学者をあつめ 専門に研究させリゃいい。 賞金一億円で新薬をつくらせるのさ。 科学者はそれをもとに生活の心配がないから さらに研究に没頭できノーベル賞につながるだろ。 そして5000万の賞金がはいるだけでなく 名誉も手に入れることになる。 幸福山=お金山だっていい。 おれには幸福とは金持ちになることなんだよ。 両者は切っても切れないバケツの水、ってわけ。 幸福山ってどこにあるのかなぁ、 ぜったい見つけるぞ! 降伏なんかしない。 ガンジー ___________________________ ここで、「ほぼ日」に届いたメールのなかから、 いつかどこかで紹介してみたいと思っていた ある1通を掲載することにします。 ちょっと長いけれど、前のガンジーさんの幸福論と セットで読むと、いいんじゃないかと思いついて。 このメールのなかに登場するご主人が、 この人の「幸福論」のテーマそのものなんだよな。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 若い人たちへ 母、75歳、 私、42歳。元モデル。 一人暮らしの母の所へ敬老の日に行ってまいりました。 熱を出して寝込んでおり、連れて戻りました。 一晩で熱は下がり、次の日は、元気で 三度の食事もきれいに食べてくれました。 その翌朝、朝食を食べている間に、 寝床をかたづけようと、ふすまを開けたとたん、 ものすごい臭気に、ノックアウトされそうでした。 シーツも、掛け布団も丸めてあり、 その匂いの元を探し回りましたが、 ありません・・・ ふと、見ると、畳の上に、うんこがあちこち、 こびりついており、 おしっこをもらしたあとも・・・ 母が食事をしている間に、始末しなくてはなりません。 事態は急を要するのです。 ダッシュで、バケツに水を張り、 ブラシと雑巾を片手に、 こびりついた、便との戦いが始まりました。 4回、水を取り替えて、なんとかしましたが、 強烈な臭気の元は、別なところに潜んでいるようです。 畳の上の便は、まとめても、ビー球くらいですし、 その臭気は、そんなものではないことを、物語っています。 母の下着、丸めた寝巻き、 あれこれ、さがしまわりましたが、 不明でした・・・ お昼のあと、母は居間でテレビを見ており、 主人が、仕事の準備に その部屋で書類のチェックをし始めました。 その和室は、主人の仕事部屋なのです。 ・・・と、主人が、匂いの元がわかったよ、と トイレに向かっています。 自分の本が、なにやら膨れているので、 何か、挟まっている、と開いたら、 母の立派な便が二本、はいっていたのでした・・・ ママ、すっきりしただろうなあ、 こりゃ、苦しかったと思うよ、というのです。 それ、どうすんの、 うんこ、トイレに流すよ、 いいわよ、捨てて!それごと、ゴミ箱に捨ててっ! いいの?トイレに流さなくて? いいっ!すててっ! それから、主人は言うのです、 ママ、まずいってことはわかるんだろうなあ、 だから、隠そうとしたんだろうなあって・・・ 人間の始まりと、終りはとても、よく似ています。 エゴの塊で、糞尿にまみれ・・・ 若くて、はつらつとした方々に、 聞いておいて頂きたいのは、 便のことではなく、 そういう状況に置かれた場合の人間の対応のありようです。 にこやかに、なんでもないことのように 良かったねー、ママと、 言えるパートナーは、素敵だなあ、と思うのです。 たくさん、稼ぐこと、 人が振り返る、いい男であること、 すてきな要素は、たくさんありますが、 こういう状況もぜひ、頭に入れておいて頂きたいのです。 人生、なんでもありです。 カネも、容姿も、移ろいで行きます。 今日一日、もっといろいろ有りました。 私の家なのに、母に、 ここは私の家よ、出て行け、とも言われました。 トイレでもおしっこを漏らして、便もあちこちにつけて、 言うなれば、マーキングしたみたいになって、 そう思ったのかもしれません。 母は、もう、私の母ではありません。 早くに父が亡くなり、苦労して、私たちをそだててくれた、 やさしくて、強くて、よく笑う母はもう、 いなくなってしまいました。 泣いているひまはなく、 私は私のできることを、するだけです。 いわで物事、申しました。 おばハンの独り言、聞いてくださいまして、 本当にありがとう御座いました。 BE ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ どうだった? (つづく) |
2001-09-19-WED
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