- 糸井
- 監督、体、絞りましたか?
- 原
- それほどでもないんですけど、
えー、少しトレーニング方法を変えました。
- 糸井
- ご自分の?
- 原
- そう、個人的に。
- 糸井
- たぶん、効果が出てますよ。
いや、パッと見たときに、印象が違いました。
- 原
- ああ、そうですか。
10年ぐらい前に気づいておけばよかったな(笑)。
- 糸井
- え、そのトレーニング方法というのは、
言っていいようなことなんですか。
- 原
- 言っていいです(笑)。
ぜんぜんかまいません。
- 糸井
- すごく興味があります。
- 原
- トレーニングというほどのことでもないんですが、
ふだん、こう、立つじゃないですか。ふつうに。
- 糸井
- はい。
- 原
- そのとき、こう、お腹の筋肉があるでしょ。
お腹の筋肉って、横に割れている
イメージがあると思うんですが、
立っているとき、つねに、お腹に、
縦の方向、縦のライン、縦のブロックを
意識するように動くんです。
お腹の中心に、縦に1本、ブロックがある感じ。
- 糸井
- ああ、ここにこう、あると思って。
- 原
- そう。そうすると姿勢が自然と変わります。
へその上のところに1本、
つねに意識をもって、こう。
- 糸井
- うん、うん。
- 原
- 呼吸するときも、歩いてるときも、
お仕事されるときも、これを意識しながら。
そうすると、すごくいいんですよ。
みんな、体を鍛えようとするとき、
あちこちの筋肉をぜんぶ使おうとするんですけど、
そうじゃなくて、立ってるときは、
お腹の筋肉をつねに、ここに、縦に寄せておく。
そうすると、体のパーツが、
自然にいい位置にくるんですよ。
- 糸井
- ‥‥ああーー。
- 原
- 頭の位置とかも、自然に真ん中に。
そうすると、動きもよくなります。
こう、下がっていたお腹の筋肉も、
縦のラインを意識することで、
内側から上がってきます。
- 糸井
- ああ、上がってきますね。
- 原
- いいんですよ。
いま、裸になると、けっこう昔のようにね、
筋肉がこう、グッと上がってきてます。
- 糸井
- 現役時代みたいですか。
- 原
- そこまではいかない(笑)。
- 糸井
- いや、でも、いいですね、これは。
- 原
- なにより、ラクですよ。
この姿勢でいるほうが。
とくに、腹筋はすごくラクになる。
- 糸井
- お腹に縦ブロックを意識。
これ、アスリートじゃなくて、
一般の人にもできますね。
- 原
- そうそうそう。
- 糸井
- これでもう、
今日は宮崎まで来た意味があった(笑)。
- 原
- いや、効果ありますよ。
- 糸井
- それは、ご自分で、気づいたんですか。
姿勢や意識を変えなきゃ、って。
- 原
- そうですね。
自分が「年老いた体」というものに対して、
あまりにも当たり前になっている、
っていうのを気づいたわけです。
- 糸井
- あーー、わかります。ダメですよね。
- 原
- 自分の体っていうのは、
ほんの少し意識することによって、
子どものような体にだって戻れるんですよ。
たとえば、みんな、腰が痛いとか、
足が上がらなくなったとかって言いますけど、
それを、年だから当たり前だと思いすぎてるんです。
- 糸井
- 「老化だからしかたない」って。
- 原
- そうそう、「うまくつき合うのが大事だ」とか。
そうじゃないんですね。
あるんです、子どものように若返る方法が。
意識を変えるだけで、ずいぶん変わりますよ。
やっぱり、年をとって一番いけないのは、
体が硬くなって柔軟性がなくなることです。
しかも、体が硬くなったときに、多くの人が
「もう年をとったんだから、しかたがない」と
あきらめしまうんですね。それは違うんです。
柔軟性というのは自分で意識を持って
体を動かしていけば、必ず戻ってきますから。
- 糸井
- いまそれを実践してらっしゃるわけですね。
- 原
- そうです、そうです。
- 糸井
- 体の姿勢や動きのほかに意識してることはありますか。
食べ物とかは、どうですか。
- 原
- 食べ物はやっぱり炭水化物を減らしてます。
とくに夜は、炭水化物をあまり摂らないですね。
- 糸井
- ああ、やっぱり。
ぼくも減らしてるんですけど、消化がいいんですよね。
- 原
- はい。朝、お腹が減って起きます。
朝、空腹感で起きるっていうのはすごくいいですね。
‥‥いや、しかし、こんな話でいいんですか(笑)?
- 糸井
- 宮崎まで来て、健康と若返りの話を(笑)。
いや、でも、この話からはじまるのは、
なんかふさわしいかもしれないですよ。
今年のジャイアンツのテーマを考えると。
- 原
- ああ(笑)。
(つづきます)
2015-03-26-THU