第2回
ほぼにちわ。darlingdarlingです。
前回は、家業がニット工場の読者から、
いっしょにニットの商品を開発しませんか、という
提案が来ましたよってところまででしたね。
なにせ、少量生産ができるってのが、
ぼくには、興味深かった。
そこで、ぼくのアタマのなかに浮かんだアイディアとは、
「ニットをメディアに」できないか、ってことでした。
要するに、キャンバスがわりにニットを使う。
「ほぼ日」に登場したいろんなおサルの絵とか、
これからオリジナルで作る絵とかを、
いろんなカタチのニットに編み込んで、
100種類くらい「展示用のニット」を作るわけよ。
んで、それを展覧会にして、みんなに見てもらう。
で、ひとつひとつを「商品」として予約してもらって
販売するっていうプランでした。
ま「編んだリトグラフ」みたいな感覚で、
商品と美術品の間みたいなものを作ろうと考えたわけ。
というわけで、
「ほぼ日」の美術担当秋山具義画伯(アッキィ)に、
おいでいただいて、
『ハシレトノサマ』というペンネームを持つらしい
新潟のニット工場の若ダンナとのミーティングを
持つことになりました。
殿様は、予想通りのナイスガイ。
セーターを中心に、展覧会用にどうやって作っていくか、
という会議は順調に進行したのでありますが・・・・。
けっこう、苦しくなってきた。
ひとつの絵柄を仮に作ったとして、
それを欲しい人は、他の色が欲しいのかもしれないし、
もっと別の型のセーターのほうがうれしいかもしれない。
さらには、自分のサイズとちがっていたら、
買っても着ることができない。
純粋に美術品として飾っておくならいいけれど、
「実用に着られるアート」となると、
どんどん欲が出ちゃうはずだ。
「あの柄で、ベースが赤だと着られないけど、
青にしてくれたらうれしい」
「あれの、Sサイズをお願いしたい」
「前にボタンがついていたらうれしいのですが」
まだ、何もはじまってもいないのに、
読者の要望がいくらでも聞こえてくるような気がした。
しかも、相当な手間がかかるし、
展覧会の経費もかかるけれど、この費用も回収できない。
たくさん売れたらありがたいけれど、
注文の細分化が捌ききれそうもない。
おもしろいんだけどなぁ・・・・・。
ニットの可能性もおもしろいし、
新潟のある地方に「ニットの小さな工場」が集まっていて、
その工場どうしが互いの仕事を融通しあって、
地場産業のようにがんばっているっていう姿も、
なんか、がんばろうぜって気にさせてくれる。
セーター・・・かぁ。
自分でも、セーターを選ぶっていったら、
悩むだろうなぁ。
ロコツな「ほぼ日」色の強いやつも、
それはそれでいいけれど、
野村佐知代のブランドものみたいになっちゃうのも、
考えものだしなぁ。
かといって、ジミに「ほぼ日」っぽかったら、
せっかくニットをやる意味が見えにくいしなぁ。
ここで、気がついたわけです。
「あ、ハラマキだ!」
もともと腹巻きを作りたかったんだよね。
それをすっかり忘れてたよ。
サイズも2種類くらいでオッケーだろうし、
ある程度、同じデザインでも満足できる。
こうして、この瞬間から、
ニットの会議は、腹巻きの会議になったのでした。
(いよいよ本格的に、続く)
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