新潟のトノサマくんのところに
行ってきました!!
年が明けて、ますます“冬まっさかり”という
感じになってきましたね〜〜。
「早く、ハラマキ届かないかなあ」
とみなさま、待ち遠しい思いをされているかと思います!
ただいま、トノサマくんチームが
年末の休みもお正月休みもこの三連休も返上して、
急ピッチで制作してくれています!
もうすこしだけ、お待ちくださいね!!
これまで、「ほぼ日真心ハラマキ」、
「ほぼ日真心ハラマキ・サマー改めライト」、
そして、今回の「ほぼ日元気ハラマキ」と
すべての制作を担当してくれているのが、
新潟のトノサマくんチームのみなさま。
わたくしたち「ほぼ日」チームは
トノサマくんとは、
毎回、新しいハラマキを作るたびに、
直接会って、あーでもない、こーでもない、と
相談しながら作っているのですが、
実は、実際にハラマキそのものを作っている“現場”には、
一度もおじゃましたことがなかったのです!!
前々から、ハラマキ作りを
この目で見たいと思っていながら、
なんとな〜く行きそびれていました。
というのも、最初のミーティングにはトノサマくんが
遠路はるばる東京へ足を運んでくださるのがつねでしたし
じっさいに制作に入って、なにか相談したいことがあったとき
すぐに意見交換するのには、
電話と、インターネットが最適。
私たちが「製作現場を見たい」というのは
「急いでね!!」なんて言っている立場からすると
興味本位過ぎるかしら、お邪魔じゃないかしら・・・なんて
考えていたのです。
でも・・・
実際にどんな人たちが、どんなふうに、
あの、あったかくって、とっても長持ちする
スーパーなハラマキを作ってくださっているのか、
ぜひぜひ知りたいっ!!!
という気持ちが、どんどん強くなってまいりました。
そんなわけで、今回、新潟までひとっ飛びで
おじゃましてきました〜〜っ!!
トノサマくんのニット工場は、
新潟の長岡駅から1つ山を越えたところの、
“栃尾”という町にあります。
栃尾といえば「栃尾の油揚げ」。
「食いしん坊さんには、すごく有名だよ〜〜」。
わたくしがおじゃました日は、とっても天気のいい日。
こんなに空気が澄んで、陽射しがキラキラしている日は、
1ヶ月に1度あるかないかなんですって!
でも、前日まで、ものすごーい大雪だったみたいで、
雪がまだまだ残っていて、あたりは一面雪景色。
広々して壮大でしょ〜〜。
こ〜んなきれいな景色を目の前にして、
体の中からどんどん生き生きしてくるのが
わかりましたもん。
そうそう、トノサマくんの工場に向かう途中、
まず驚いたのが、川の水がとってもきれいなこと!!
トノサマくんによると、山の雪どけ水などが水源で、
“日本の名水百選”にも選ばれてるんですって!!
どーりで、川底まで透き通ってきれいなわけですわっ。
栃尾という町は、古くからの織物の町で、
糸を作る工場、染色の工場、縫製の工場、
そして、トノサマくんのお家のような編む工場、
というふうに、
織物や編み物の小さな工場が、
さして遠くはないひとつの地域のなかに、集まっています。
ほぼ日ハラマキも、そんないくつかの工場のみなさんが、
力を合わせてつくってくださっています。
それぞれ専門の工程を分業しながら、
おたがいに助け合って、
ハラマキならハラマキという1つの商品を作ってるんです。
ハラマキの製作工程を簡単に説明しますと・・・
●糸屋さん:糸づくり
↓
●染色の工場:糸を染める。
↓
●ニット工場:編む作業
↓
●洗いの工場:糸についた薬品を洗い落とす。
乾燥の熱で、サイズを合わせる。
↓
●縫製の工場:生地の脇を縫い合わせてハラマキの形にする。
タグを縫い付ける。
↓
●ふたたびトノサマくんのニット工場へ戻り、最終チェック。
↓
明るいビルからみなさまへ!!
ということなんです。
トノサマくんは、
いわばその「トップディレクター」的な存在。
トノサマくんいわく、
「小さな工場が集まっているので、
おたがいに仲良く、力を合わせてやっていかないと」。
う〜ん、これは、まさしく「only」の集合体!
only is not lonelyですわ〜〜!
●トノサマくんの工場に到着!
長岡駅からトノサマくんの車で約1時間、
トノサマくんの工場に着きました〜〜。
まず、出迎えてくださったのが、このお三方!
白倉宏さん
トノサマ君のお父さんで、社長さん。
「私もハラマキ、愛用してます!」
白倉則明さん
トノサマくんのいとこの工場長さん。
「天気のいい日に来てよかったねえ。」
渋谷努さん
製品全体の工程を監督する人。
「無口な社長に代わって、現場を盛り上げてるよ!」
トノサマくんのお父さんが社長さんで、
いとこが工場長さんとは、
なるほどー、ほんとうに、“家内制工場”だっ!!
いざ、工場の中におじゃましてみると、
あれれ?
想像してたのとはちょっと違うような・・・。
機械がずらーっと並んでいて、
人の姿があまり見えないけど・・・
編み機で編んで、1枚の生地ができてくる。
トノサマくん、
「編むこと自体は、機械でやってるんですよ。
でもね、ハラマキ作りには、
機械じゃできないことが、
実は、いっぱいあるんですよ〜〜。」
と、トノサマくんに連れられて、
奥の方に進んで行ってみると・・・・
ほんとーだ!
編み機から上がってきた1枚1枚の生地に、
汚れがないか、糸のほつれなどのキズがないか、
厳しい目でチェック。
関根幸子さん
「毎朝8時半から、きびしく検品してま〜す!」
そして、その検品で見つかった糸のほつれなどを
細かな技術で、修正するのが、ベテランのお2人。
稲田キセさん
トノサマ君のお父さんのお姉さん、
つまり、トノサマくんのおばさん。
この道一筋、30年以上(!)の大ベテラン。
「離れて暮らす10人の孫に会うのが楽しみなのよ。
みんなかわいくってねえ〜」
剣持三重子さん
稲田さんと同じく、この道一筋20年以上のベテランさん。
「昔に比べて、新しい糸がつぎつぎ開発されて、
扱いがむずかしい糸が増えているから、日々勉強です!」
お2人の手にかかると、こんなキズも、
ほら、こんなにきれいに!!
修正前 修正後
トノサマくんいわく、
「長くやってくれる職人さんの技術には
かなわないんですよ。
2、3ヶ月びっちり修業しても、
この仕事は到底ムリ!!」
そして、検品をクリアして、ばっちりオッケーなものは、
いったん、“洗いの工場”や“縫製の工場”に出て、
そこで、サイズを合わせたり、タグを縫いつけたりして、
ちゃんとハラマキとしてできあがったら、
ふたたびトノサマくんの工場へ戻ってきます。
そして、戻ってきたハラマキを
トノサマくんのお母さんたちが、
1枚、1枚、丁寧かつ厳しい目で、
最終チェックをしてくれます!!
キズがないかというチェックだけでなく、
小さなほこりもないように、ローラーで、
1枚1枚きれいに汚れをとります。
白倉みち代さん
トノサマくんのお母さん。
「“家内制”でがんばってます!!」
鶴巻睦子さん
「読者みなさんからのメールを読んでうれしかったです。
このハラマキ作りにたずさわれて、しあわせです。」
そして、最終チェックの、さらに最終チェックで、
最後に、こんな機械も使うんです!
「検針器」
製品化されたものの中に、
万が一金属のクズなどが混ざっていないか
チェックするための機械。
実際に、検針器で金属反応にひっかかることなんて、
何年に1回あるかないかで、めったにないことですが、
そういうものがお客さんのところに届いてしまったら大変!
というわけで、念には念を、万全の態勢で、
安全で、すばらしいものをお届けしているんです!!
う〜〜ん!
こうして、トノサマくんの工場におじゃましてみると、
編むこと自体は機械だけど、
機械のまわりには、たくさんの人がいっぱい!!
1人1人が、1枚1枚目で見て、
ほんとうに細かなところまで、
ていねいに心を込めて作ってくださっているということが
よくわかりました!!
そういう1人1人の手作業を見ていると、
これは、紛れもなく、“手作り”といえますわ〜〜。
さきほどもいったように、
トノサマくんのニット工場は、
トノサマくんのおとうさん、お母さん、おばさんなど、
トノサマくんご一家が中心になっている、
ほぼ“家内制工場”なんです。
だから、トノサマくん一族の性格、
「異常なほど粘り強い!」が
工場の性格にもなってるんですって!
工場のみなさんの、ほんとうにていねいで、
厳しい手作業を見ていると、納得です!!
●他の工場にもおじゃましましたっ!!
さきほどももうしましたが、
ハラマキは、トノサマくんの工場だけで、
ぜーんぶ作っているわけではないんです。
いろんな工場が、それぞれの工程を分業しながら、
1つの製品を作っています。
トノサマくんの工場では、
主に糸屋さんから届けられた糸を使って
“編むこと”をやっているのですが、
その他の工程を担当する、
“洗い”の工場や、“縫製”の工場にも
おじゃましてきました!!
まずは、“洗い”の工程をしてくださっている工場へ。
貝沼繁さん・逸子さん
社長さんご夫婦。来年で結婚30年。
「毎日おんなじものを食べているから、
顔も性格も似てきちゃったよ〜〜。」
貝沼和志さん
貝沼さんご夫婦の息子さん。
トノサマくんの同級生、25歳。
「深津絵里ちゃん、大好き。」
貝沼さんご夫婦は、とにかく明るいの!!
さすが、結婚30年ってだけあって、
これぞ、“夫婦漫才”って感じの掛け合いで、
すてきでしたわ〜〜。
“洗い”というと、あまりピンとこないかもしれませんが、
もともと糸には、すべりをよくするためのワックスとか
いろんな薬品がついているんです。
そういう糸のまわりについている薬品を落とすために、
一度、洗うことが必要なのです。
そして、さらに、“洗い”の工程でとっても重要な役目が、
サイズ合わせ。
洗ったものに、蒸気をあてて乾燥させつつ、
F・S・子供サイズ、それぞれのサイズを作るのです。
ハラマキの素材である毛糸は、
伸び縮みがはげしいから、ちょっとした熱のかけ具合で、
Fサイズのものが
Sサイズになってしまったりするんです。
だから、その熱のかけ方ひとつも、職人技なのです!
↓
ハラマキに蒸気をあてて、サイズを合わせます。
授盛栄さん
「ハラマキのサイズを合わせるのは、大変だよお〜〜。」
塚野徹さん
「ずっと立ち仕事だから、腰痛にならないように、
毎日犬の散歩して、健康作りをしてます!」
この蒸気をあてる作業を、
わたくしも、やらせていただいたのですが、
蒸気をかけすぎて、縮みすぎてしまったりと、
ほんとに、むずかしいのっ!!
ちょっとした加減で、FサイズならFサイズという
決まった大きさにするなんて、すごすぎますっ!!
そして、次におじゃましたのは、
“縫製”の工程を担当している工場です。
原洋一さん
社長さん。
「お酒大好き。栄養ドリンク飲んでがんばってるよ!」
原社長さん、とっても男気あふれる方なんです!
「1枚、1枚、手作業だから、大変だよ〜〜」
なんておっしゃりつつも、
「でも、このハラマキを楽しみにしてくれている人が
たくさんいるんだからねえ。
がんばるよ!!」
と頼もしいお言葉をいただきました!
原社長さんが強くおっしゃっていたのが、
「お客さんの声を、直に聞くことができて、うれしい。」
ということ。
ふつうの製品ですと、納品したらそれっきりで、
自分たちの作った商品を手にしたときの
お客さんの声を聞けることなんて、まずないんだそうです。
でも、「ほぼ日」のハラマキを作ってから、
みなさんからいただくメールの感想を読むことができて、
自分たちが作ったものを、
こんなにもよろこんでくれているのか〜、ということが
何よりも、励みになっている、とのことでした!!
こちらの“縫製工場”では、トノサマくんの工場で、
編み上がった1枚の生地を縫い合わせて、
ハラマキの形にしたり、
タグを縫い付けたりしてくれます!
「真心ハラマキ」にこっそり入っていた“真心タグ”も、
ここで、縫い込まれていたんですね〜〜。
脇を縫いあわせて、ハラマキの形にします。
タグは1枚1枚、定規で位置をしっかり決めて、
ていねいに縫いつけられます。
大崎千秋さん
「バンドでアルトサックスフォンを吹いています。
栃尾市民会館で3月22日にコンサートがあります!!
ぜひ来てくださ〜い!!」
渡辺八重子さん
「縫製が趣味です。(パチンコも好き)」
今回、おじゃましたのは、3つの工場ですが、
この他にも、糸の工場、染色の工場というふうに、
いろんな工場を経て、ハラマキが作られていくんです。
今回、ハラマキ作りを目にして、
一番、驚いたのは、とにかく、ひとつひとつの作業を
ていねいに、そして根気づよく、やってくださってること。
こんなふうに、大事に作ってくださっている
ハラマキを巻けることが何よりもうれしい、
とつくづく思いましたわ。
1枚1枚、真心込めて作ってくださっているからこそ、
あんなにも、あったかくって、じょうぶで、
立派なハラマキができるんです!!
いま、この瞬間も、
「早く、お客様のお手元にお届けしよう」と
トノサマくんチームのみなさんは、
がんばってくれています。
実際にみなさまのお手元への発送を開始するのは、
1月21日の予定です!!
1枚1枚ていねいに、真心込めて作られている
「ほぼ日元気ハラマキ」が
みなさまに届くまで、あと約1週間。
どうぞ、楽しみにお待ちくださいね〜〜!!
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